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    et_tlvskr

    @et_tlvskr
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    明け方のシャカタキちゃん

    #シャカタキ
    bashed-in

    たぶん、朝が近い。
    どちらからともなく始めた共同研究も缶詰になって今日が3日目。薄暗い床には、自分と同じぐらいの体温の塊が、薄い布団に包まって潰れている。
    「起きてるのかい」
    問いかけると、気怠げに耳が動いた。
    「テメエこそ」
    「寝たまえよ」
    「テメエが寝たらな」
    「きみ昨日も遅くまで起きてたろう」
    「お前に言われたかねーよ」
    「きみが寝るのを見届けたら寝るさ」
    「こっちもお前が寝るのを見届けたら寝るわ」
    「永遠に寝れないじゃないか」
    「じゃあ寝るな」
    「君も寝れないんだぞ」
    「オレは寝る」
    「おや前言撤回かな?」
    「うるせえ寝ろ」
    「君が寝たらね」
    「堂々巡りやめろ」
    「君が眠れば済む話さ」
    「…なんだよ」
    「うん?」
    「寝付けねえのか」
    「…」
    まあ、そういうことでもあるが。
    返さないでいると、それは沈黙を肯定と受け取ったようだった。
    酷く気怠げに、身を起こすような音がする。それはそのまま這って私の隣に来ると、側に身を横たえ、布団ごと私を抱き込んだ。
    「おっと?」
    「寝れねえなら大人しく抱き枕にでもなってな」
    「…おやおや」
    いつだったか、寝つきが悪いと嘆いていた彼女に添い寝を申し出たことがあった。
    効果の程までは聞けていなかったが、これが彼女なりの不器用な優しさの形だというのなら。
    私も小さく身を寄せる。
    「仕方ないな、他ならぬ君の頼みだからね」
    「ちったァしおらしくしたらどうだ」
    「…んん…」
    四肢が心地よく火照り、彼女の低い声が耳元に掠れる。
    私は小さく欠伸をした。悪い気分ではなかった。
    根比べはどうやら、彼女の勝ちのようだった。
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