「断る」
「えー!?」
二人で借りたDINKS向けの小綺麗な賃貸マンションの一室に、タキオンの素っ頓狂な声が響く。
ポッケは拗ねた調子で答えた。
「どぉーせ実験の一環なんだろ」
「そうだが?」
「だからだよ!いい加減学べコラ!!」
「ええー!?」
「ううう…私の実験行為は遍く愛情表現の一環なのだとポッケ君なら分かってくれていると信じていたのに…」
「ええ…あれで愛情表現だったのお前…」
「そうだとも!私の実験が君に迷惑をかけたことがあったかい!…いや、あるな」
「あるわ」
「うん、結構ある。今のは撤回しよう、私が悪かった」
「おー、いい子だ」
「ああ、諸々の行為が愛情によるものだと理解してもらえたのだから瑣末なことだ。さあ改めてポッケ君、私の前に君の純粋で無垢な身体を捧げたまえ!」
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