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    pagupagu14

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    pagupagu14

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    愛する二人に幸を運ぶ/愛忠
    幼少期愛忠→現在のくっついてる愛忠の話。
    白蛇の脱皮シーンを見る愛忠、白蛇の脱皮皮をお守りにして持つ愛忠。それを今も変わらず持っている愛忠。そんな話です

    #愛忠
    aizhong

    愛する二人に幸を運ぶ 愛忠
     「愛之介様?何をされているんですか?」
    水の入っていないプールから少し離れたところ、そこで忠の家族が使える家族の息子であり忠が仲良くさせてもらっている相手、愛之介が何を見るようにしゃがみ込んでいたから、つい声をかけてしまった。
    「…忠、うん…白蛇が」
    そう言う愛之介の視線の先には白蛇だけでも珍しいのに二匹もいて、しかも仲良く脱皮をしているところだった。
    「す、すごいです愛之介様!」
    「…すごい?」
    「ええ。白蛇だけでも縁起が良いと言われているのに、二匹もいてしかも脱皮をしている現場だなんて生きているうちで見られない人も多いものなんですよ。さすが愛之介様、幸運を引き寄せてしまうのですね」
    ふふ、と忠がまるで自分のことのように喜ぶのだから愛之介は何故だか嬉しくなってしまった。
    「幸運、か。…うん、ありがとう忠」
    「?いえ、本当のことを私は言っただけですので――」
    そんなことを話しているといつの間にか二匹の白蛇は脱皮を終え茂みの方に仲睦まじく並んで歩いていっていた。
    「…この脱皮した後の皮、お守りにしましょうか」
    「お守り?」
    「ええ。さっきも言いましたが白蛇は縁起が良いとされているのです。ですから白蛇の脱皮の皮を入れてお守りにすることはよくあるのですよ。神社でも売ってるものもありますから」
    「ふぅん…そうなんだ」
    「このままならばっちぃですが、ちゃんと消毒すれば大丈夫ですよ」
    「…じゃあ、僕――忠とお揃いで持ちたい。」
    「私と――ですか?」
    「うん。一緒に持とうよ、忠」
    「……はい、かしこまりました」
    にこ、と笑う忠に愛之介は満面の笑みを交わす。忠は幸運のお守り、と言っていたがこの時の愛之介にとっての幸運のお守りは何より、【菊池忠】以外はあり得ないことだった。
    ***
     「あっ………、これは――」
    愛之介は席を外していて、さっきまで愛之介が着ていたジャケットについた煙草や香水等の臭い取りをしていた忠は愛之介の胸ポケットからぽろりと落ちたものを拾い上げ、固まってしまった。それは幼い頃、愛之介と共に見た白蛇の脱皮…それを使用して忠が作り愛之介と共に揃いで持つことにしたお守りだった。
    (まさか、まだ持っていてくれているとは…)
    驚きだった。
    勿論、忠はあの日からずっと肌身離さず持っていて、忘れたことなどこれまで一度たりともなく忠にとって勇気をくれるお守りであり一日頑張れるような魔法のアイテムであった。だから、同じようにこんなに大人になった今でも持ってくれてると思うと嬉しくてたまらない気持ちになってしまうのだ。
    「忠、」
    そう呼ばれお守りを元の場所に戻そうと慌てる忠だったが構わず近づいてくる愛之介に間に合わず、忠は愛之介のお守りを見つけてしまったことがバレてしまったのだった。
    「……それ」
    「あ、あの…も、申し訳ありま…」
    「別に、いい。見られても困るようなもんじゃないしな」
    そう言いつつ愛之介は薄く頬を染め、乱暴にお守りを奪い取る。
    「愛之介様…あ、あの…」
    「……別にあの時、白蛇だとか縁起がいいとかそういうの僕には何の意味を持ってなかったんだ。そうなんだ、っていうそういう感想しか抱いていなかったし」
    ぽつぽつと語る愛之介に不思議そうな目を向けながら忠は真剣にその言葉を聞き、小さく頷いた。
    「ただ、お前が――忠があんまりにも喜ぶから、僕の中で特別なものになった。このお守りだってそうだ。お前以外が作ったものなら、こんなに今の今まで大事に持ったりなんてしない。」
    この意味お前なら分かるだろう?と向ける視線に忠の頬が緩んでいく。
    「ありがとう、ございます…今の言葉、当時の私が聞いたら嬉しくて泣いてしまうかもしれません」
    「お前は」
    「え?」
    「今のお前はどうなんだ?」
    「………今の私は、そう……ですね」
    悩んだような仕草をした後真っ直ぐ愛之介を見て、愛之介しか知らないだろう無邪気な笑顔を向けた。
    「嬉しいです。嬉しくて、あなたのことが愛おしくて、昔からずっとあなたのことをお慕いしてきて、ずっと大好きですが…もっと、大好きになりました」
    「~~~、お前はどうして、そういう…ことを――」
    「愛之介様?」
    影が忠の顔を隠したかと思うと不意に愛之介に忠は抱きしめられてしまいかぁ~っと忠の顔は朱に染まる。それは、忠には見えはしないが愛之介だって同じことだった。
    「まだ、仕事は終わっていないというのにお前はどうしてそういう…僕を煽るようなことを言うんだ…」
    「煽ってなど…」
    「…無自覚が、一番タチが悪い」
    「ええっ…」
    困ったような声を上げる忠にくっくと愛之介は笑みを漏らす。
    「まあ、いい。少し疲れた出発までまだ時間はあるだろう…それまで、こうさせてくれ」
    「かしこまりました…」
    ふふ、と笑う忠に愛之介は頬を摺り寄せた。
     白蛇のお守りは幸運を呼び寄せる、と言われているが愛之介にとっても忠にとってもそれは互いが一番の幸運の象徴で、お守りというものはちょっとしたアイテムでしかない。けれど、互いを繋ぐアイテムの一つであるのは確かだろう。
    あのプールがある限り、二人の想いが繋がっている限り二人の想いは交わり続ける。それを見守るのは昔から神道の屋敷の茂みに住む、仲睦まじい二匹の白蛇できっとそれは二人の愛のキューピッドと呼ぶべきものなのだろう。
    -Fin-
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    pagupagu14

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    頭のネジがぶっとんだ忠が書きたかったのでゾンビ蔓延る世界で忠が運転する車で逃げる愛忠+ジョー+チェリーです。愛忠要素は限りなく0に近いですが書いてる私が愛忠オタクなので愛忠です。言うて若干愛忠ですが。従者が銃器ぶっぱなして平然として若干引かれてるのが好きなんだよな~~~~~性癖です
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    pagupagu14

    DONE蛇の誘惑/愛忠
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    蛇の誘惑 愛忠

     愛之介用の軽食は忠お手製のサンドイッチでSの後に食べてもらうことにしよう。当の本人はスノーとのビーフに夢中だし、と言うわけで忠は一人その光景を見つめながらファーストフード店とハンバーガーに齧り付いていた。たまに、こう言った安っぽい味が無性に食べたくなるのだ。こう言う価値観はきっと愛之介に理解されないと知っているからこうやって忠は目を盗んで食べていたのだがそれに近づく存在、暦がいた。
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    「…君か」
    はぁ…ため息を吐くと暦は何なんだよ!と声を上げる。
    「君もスノーが取られて暇なのか」
    「いや…そういうわけじゃ、いや…そう、なのか?」
    「私が知るか」
    そう言いながら忠は食い入るようにモニター越しに愛之介を見つめる。
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    「当たり前だ」
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    熱烈な愛の告白を淡々と紡ぐ忠に若干引き気味の暦に楽しそうに忠は笑う。
    「君には分からないでいい 1675

    pagupagu14

    DONEchocolate Kiss/愛忠
    幼少期の愛忠→最終回後くっついてる愛忠のVDの話。
    季節外れですが思いついたので。ネタは鮮度が大事!忠視点は脳内セリフが煩くしやすくていかに愛之介様を好きか書けるから楽しいね
    chocolate Kiss  愛忠
     「忠、それ何食べているの?」
    水の入っていないプールの傍で甘ったるそうな匂いをさせているものを食べている忠に声を掛けると嬉しそうな顔で僕の名を呼ぶ忠。僕はその顔が一等好きだった。
    「チョコレート菓子ですよ」
    「チョコレート…」
    「ええ。今日はバレンタインデーなので本命のついでだとは思うのですが、皆さんよくくれるんですよ」
    忠はそう言っているが僕は知っていた。明らかにそのチョコレート菓子の山の中に明らかな本命が混じっていることを。この量のチョコレート菓子は普通ではまずもらうことのない量だと言うことを。救いなのは当の本人である忠がその気持ちに気づいていないということだった。
    「あ、愛之介様も食べますか?」
    「え、僕…?」
    「はい。手作りとかはさすがに食べさせられないんですがこういう市販のものとかなら…」
    「…いい、いらない」
    「そうですか?わかりました」
    不思議そうな顔をしてお菓子を食べるのを再開させる忠の袖を摘まむ。
    「愛之介様?」
    「なんか…それ、やだな…僕」
    「ええっと…嫌、とは?」
    「忠が…誰かにもらったお菓子食べてるの嫌だ…」
    特に今日もら 2807