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    pagupagu14

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    pagupagu14

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    chocolate Kiss/愛忠
    幼少期の愛忠→最終回後くっついてる愛忠のVDの話。
    季節外れですが思いついたので。ネタは鮮度が大事!忠視点は脳内セリフが煩くしやすくていかに愛之介様を好きか書けるから楽しいね

    #愛忠
    aizhong

    chocolate Kiss  愛忠
     「忠、それ何食べているの?」
    水の入っていないプールの傍で甘ったるそうな匂いをさせているものを食べている忠に声を掛けると嬉しそうな顔で僕の名を呼ぶ忠。僕はその顔が一等好きだった。
    「チョコレート菓子ですよ」
    「チョコレート…」
    「ええ。今日はバレンタインデーなので本命のついでだとは思うのですが、皆さんよくくれるんですよ」
    忠はそう言っているが僕は知っていた。明らかにそのチョコレート菓子の山の中に明らかな本命が混じっていることを。この量のチョコレート菓子は普通ではまずもらうことのない量だと言うことを。救いなのは当の本人である忠がその気持ちに気づいていないということだった。
    「あ、愛之介様も食べますか?」
    「え、僕…?」
    「はい。手作りとかはさすがに食べさせられないんですがこういう市販のものとかなら…」
    「…いい、いらない」
    「そうですか?わかりました」
    不思議そうな顔をしてお菓子を食べるのを再開させる忠の袖を摘まむ。
    「愛之介様?」
    「なんか…それ、やだな…僕」
    「ええっと…嫌、とは?」
    「忠が…誰かにもらったお菓子食べてるの嫌だ…」
    特に今日もらったチョコレート菓子なんて。見ず知らずの他人が作ったものだなんて。そんなことを言うと分かりました、と言って忠は笑った。
    「もう、食べません」
    「ええっ…」
    「もらってしまったものは仕方がないので他は家族にでもあげることにします。特別、甘いものも好きと言うわけでもないですしね」
    本当にいいのだろうか、と思いつつそうやって忠が僕の意向を優先してくれることに、優越感を覚える。
    「じ、じゃあ!忠、これ…あげる!」
    そう言って今日の隙間時間に忠のことを考えて折ったハート型を模った赤色の折り紙を手渡す。
    「ぼ、僕からのバレンタインプレゼント…受け取ってくれる?」
    不安げだった僕とは反対に忠は満面の笑みで折り紙を受け取ってくれる。
    「ありがとうございます。大切にしますね」
    「…う、うん!そ、それで…あの、忠」
    「はい」
    「こ、これからは僕とバレンタインにプレゼント交換してくれない?僕と!僕とだけ!」
    身勝手なことだと思ったが忠はすぐに頷いた。
    「ええ、構いませんよ」
    「えっ、いいの?本当に?」
    「ええ。別にもらうような相手もいないですし、食べないものをもらっても困るでしょうし何より愛之介様と過ごす時間の方が大事です」
    嬉しかった。どんなお褒めの言葉よりも嬉しかった。
    「あ、そうだ。愛之介様、少しお待ちいただけますか?」
    「え?…うん」
    すぐに戻りますから!と言って忠はどこかへ行ったかとすぐに戻ってくる。手に何かを持ちながら。
    「愛之介様、どうぞ私からのバレンタインのプレゼントです。と言っても即席の代わり映えしない薔薇一輪ですが」
    「う、ううん…嬉しい。すっごくすっごく大事にする!」
    「ふふ、本当ですか?」
    嬉しいです、と笑った忠の顔に顔を赤くなるのを感じた。大好きだった。好きだった誰よりも。そしてそれは大人になっても変わらず、けれど確かに形を変え僕――神道愛之介の中に留まり続けた。
    ***
     あのバレンタインの日以降、私と愛之介様はあの事があってもずっとずっと毎年バレンタインプレゼントの交換を続けた。そして愛之介様に一生傍にいられる許しを得てから、恋人という役割を得てから初めてのバレンタインがやってきた。きたー―のだが、

     私は、愛之介様の部屋の前で行ったり来たりを繰り返している。きっと今はもう部屋でご就寝なさっていることだろう。だとしたらサンタのようにドアノブにかけておくほうがいいに違いない。ああ、だが直接渡した――いやいや、犬の分際で何を考え…などと考えていると後ろから声を掛けられる。
    「何をやっている、忠」
    「…愛之介様」
    まさか、まさかの愛之介様の登場で心臓は緊張で跳ねるが努めて平静を保つ。
    「何でもありません。それでは私は戻ります」
    明日の朝、ここにかけておこう。そう心に誓う私だったがそれを止めるのもまた愛之介様だった。
    「おい、忠。何か今隠さなかったか?」
    「い、いえ…何も」
    ポーカーフェイスが得意で良かった。と自分の特技、そしてこの表情筋で生んでくれた親に感謝しつつ紙袋を隠す。
    「……じゃあ、質問を変える。僕に、何か、渡すものはないか?…忠」
    「……愛之介様……」
    「忘れたなんて言わせないぞ」
    柘榴色の瞳が一点、私だけを見つめていて断念するほかなかった。
    「あります…あなたに、渡したいものが」
    「いい子だ」
    に、と笑うと部屋へと促され私は恐る恐ると足を踏み入れるのだった。
     「じゃあまずは僕からだな」
    そうやって渡される包みのチョコレートは有名チョコレート店かつ、高級であることが分かって冷や汗が止まらない。
    「………ん」
    「ん?」
    「こ、これは渡せません!こ、こんな高級なチョコレートをもらったのに私は、私から贈れるのはプロとは比較対象にもならない、手作りのチョコレートだなんて!」
    「………手作り、と言ったか?」
    「は、はい…言い、ました」
    「寄越せ」
    「え」
    「いいから寄越せと言っている!」
    乱暴に奪ったかと思うと包みを綺麗に剥がし、箱からチョコを取り出すとしげしげと見つめられる。緊張で口から心臓が出そうな思いだった。
    愛之介様が一口で私の作ったチョコレートを食べられる。
    「…ウイスキーボンボンか」
    「は、はい…素人なりに勉強しまして…まだまだ愛之介様を満足できるものではないのかもしれませんが…」
    「いや、お前は僕の舌に合う味をよく分かっている。」
    「ほ、本当ですか…?」
    「僕は嘘は言わない」
    「そうでしたね。…安心しました。味見してもらった甲斐があります」
    「…味見?」
    「ええ。不安だったのでジョーとチェリーに味見、を――」
    と言ったところで愛之介様が怒りに震えているのが見て取れてしまう。
    「…お前、約束を覚えていなかったのか?誰にも、やらんという話だっただろう?」
    「う…で、ですが…」
    「お前の料理はどんなに腕がいいシェフが作ったものよりも美味しいに決まってるんだ!誰にもやるな!むしろ味見も僕にさせろ!」
    強引な言葉。それに嬉しくなってしまうのは私があなたのことをお慕いしているからだろう。
    「…仕置きが必要だな、忠。口を開けろ」
    「は、はい…」
    口を開けるとそこに私の作ったウイスキーボンボンを乗せらせ、そして――舌を乗せ、貪るようにキスをされる。
    愛之介様!これは仕置きではなく褒美になってしまいます!
    そんな私の気持ちを知っているのか、気づいているのかニヤニヤと笑う愛之介様にチョコレートごと貪り取られてしまって、それはウイスキーボンボンがなくなるまで続き――翌日の私の舌は、唇はヒリヒリと嬉しい悲鳴を上げていた。
    -Fin-
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    「…君か」
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    「あ、愛之介様も食べますか?」
    「え、僕…?」
    「はい。手作りとかはさすがに食べさせられないんですがこういう市販のものとかなら…」
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    「愛之介様?」
    「なんか…それ、やだな…僕」
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    「た、忠…?」
    冷静な秘書の言葉に動揺を隠せない愛之介。それは後部座席にいる虎次郎と薫も同じことだった。しかし、走る車の後ろからゆっくりとした速度ではあるが大量のゾンビが追ってきている。逃げ場がないことは重々承知だった。
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