運命は共に 今週の放送も終わり思わず放心してしまう弁慶と遮那。今週の回は源九郎義経の最期でありその悲しくも、軍神さを失わずに、最後の最後にも笑顔を虚しくも浮かべた姿が、そして頼朝が死した義経の首桶を抱き締めながら賞賛を送る姿が惨さを悲劇を演出していた。
「…なんというか、その、すごかったな」
「はい…」
そういうことしか出来ない二人は次番組に切り替わっても目を離せずにいた。
「この世界の拙者も、殿も最期まで戦い抜き殿の力になれたのだと思うと嬉しい限りでござる」
「…そうだな。それにもし同じような場面があっても弁慶は…私の弁慶は同じことをしただろうし言っただろうな」
「無論。拙者はいつまでも殿の…姫のおそばに」
「頼もしい限りだ」
そう言って口を大きく開けて二人は豪快に笑った。
「……【六道の道のちまたに待てよ君遅れ先立つ習ひありとも】」
「!…【のちの世も またのちの世も めぐりあはむ そむ紫の 雲の上まで】」
互いに分かりきったように言葉を重ね頬を擦り寄せ笑いあう。そして次第に唇を重ね合った。
「前世も、今世も、来世もずっと一緒だ。私の運命はお前とともにある、弁慶」
「それは拙者も同じことでございまする。姫」
そして愛おしくてたまらないと言うように唇を重ね合った。二人しかいないこの部屋には幸せだけが満ちていた。
-了-