植木鉢 気持ちのいい快晴。
しばらく雨が続いてからの雲ひとつない晴れの日に、誰しも胸のすくような思いを抱くようだ。
なんでもなくても怒号が飛び交い鍛錬という名の喧嘩が横行している十一番隊も、今日ばかりはのんびりとした空気が隊舎全体に漂っている。
そんな中、弓親は一角を探していた。
隊士たちと手合わせを行っていたはずの一角は、一息ついたところでふらりとどこかへ行ってしまった。
茶でも用意しようかと思っていた弓親は、その気配を追って庭に出た。
隊舎の庭は専用の庭師が持ち回りで手入れを行なっているため、整備が行き届いている。青々とした木々の美しさを満足げに眺めていた弓親は、塀の近くで一本の木を眺める一角を見つけた。
1915