匂い①「先生って、良い子が好きなんでしょ。」
休日、虎杖悠仁は五条悟の家で映画を観ていた。
地下室での特訓以来、五条と映画を観ることが日課になり、たまの休日にはこうして映画を観て過ごしている。
バトルアクションものも、スプラッターもホラーも、一通り観てしまった。動画サイトでNo.1とあったラブストーリーを、なんとなく観ていたとき、悠仁はそんな疑問を投げかけた。
「んー、まぁね。正確には、面倒くさくない子かな。」
「それって、どういうこと?」
悠仁はさらに問いかける。
「そうだな。しつこくなくて、深入りしてこなくて、色々弁えてる子かな」
「ふーん」
五条の返答から、普段の付き合い方がどんなものか伝わってくる。悠仁は、そっかと流すが五条の"付き合い"にも薄々感づいていた。
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