パロ 「こんばんは!今日も楽しい時間にしような」
明るい元気な声を響かせて虎杖悠二のラジオは始まる。去年、深夜に放送されたアニメの主人公の友達けんライバルの役がぴったとその名が有名になり、こうしてラジオのパーソナリティをもらった。主人公役の伏黒恵は悠二より先に売れっ子だったもだが、悠二の明るい性格にすぐに打ち解けてラジオに良く遊びに来てくれる為ラジオが更に人気になった。
「そして、今夜は伏黒君が遊びに来やした!」
悠二のその言葉に、手元にあるタブレットにはラジオを聞いているリスナーからは喜びのコメントが届く。
「相変わらず伏黒くんが来ると凄いコメント来るよね」
「変わらないだろ?」
「いややっぱり違うよ~皆伏黒くん大好きだよね!俺も好きだけど」
「またお前は誤解をされる様な言い回しすんなって言ってるよな」
2人の会話にラブラブとか何ヶ月記念日とかのコメントが入り悠仁は笑いながら、伏黒は溜息をつきながら質問に答えていく。
「虎杖の秘密を教えてください」
不意に目に止まった質問に伏黒は声に出してそれを読む。
「実は」
「隠し事なんか無いかんね!」
「虎杖は」
「えっちょと伏黒さん?何を言おうとしてる?ねぇ?ちょっと?!」
焦り出す悠仁にくすりと笑いながら悠仁に近づいて肩を抱く。
「近い近い近い近いからぁ!」
「酔うと甘えて」
「それダメなやつじゃん!」
悠仁は伏黒の口を押さえて声をあげる。
「さっき伏黒が言ったよね!勘違いされる事すんなって」
「俺は正直な事を話してるだけだ」
「この天然記念物級たらし」
このやり取りは毎度展開が違うだけで毎回である恒例で基本は悠仁が伏黒を困らすパターンが多いのだが、今回伏黒から仕掛けてきた。するとリスナーから2人でBLドラマCDに出ないのかっと質問が来て伏黒を悠仁はチラリと見つめる。
「えっ俺伏黒くん抱いちゃうの?」
「いや逆だな、お前が抱かれんだよ!」
「なんでだよ!伏黒くん受け専じゃんか!」
「たまたまだろ?っうか、俺を抱く気なのか?お前もこっち側だろ?」
その言葉に悠仁が伏黒くんとは無いかなって苦笑いすると後ろ頭を叩かれた。
「って!」
「お前とやる時は鳴かす側に立ってやる」
「伏黒さん言い方」
爆笑する悠仁に伏黒は舌打ちする。
「じゃ可愛い伏黒くんに変わって俺が告知すんね」
「もういい・・好きにしろ」
「サンキュー、伏黒くんの可愛い声が聞けちゃう、BLドラマCD青空の涙、五条悟さんが伏黒くんとすれ違ってしまう兄弟のお話!聞いてね!絶対にいい話しだから」
「そのうち虎杖も俺が攻めでCD出るらしいぞ」
「どうしても俺を攻めたい伏黒くんの可愛い声と、俺の憧れ五条さんの素敵な優しい声に癒されてね」
悠仁の告知が終わる事にエンデング曲が流れたじめる。
「そろそろ時間だね!じゃ、明日もみんなに楽しい事がありますよーに、早く寝ようね虎杖悠仁と」
「伏黒恵」
「でした。おやすみなさい」
ラジオが終わりスタジオ出るとスタッフに呼び止められる2人。今日も楽しかったよと褒められて悠仁は照れる。再来週は七海がゲストと聞かされて悠仁が驚く。
「なんで七海さん?」
伏黒の問に悠仁は次のアニメの主役が決まったと笑顔で告げる。
「アニメでさ七海さんと一緒なんだ」
「あれか?主人公が力の為に呼び出した悪魔の使いがすげぇ可愛いけどブサイク面の」
「そうそう腹巻した猫役がナナミン」
「お前、七海さんをナナミンって呼んでんのか?」
少し先輩で堅物な七海を相性で呼ぶ悠仁に伏黒が驚く。
「ナナミンがそれで構わないって」
少し照れている悠仁に伏黒は固まる。
「俺は伏黒くんなのに?」
「いや、リスナーやファンの手前、伏黒とは呼べんだろ?っうか事務所に愛称は伏黒はダメって」
「まぁこんだけイチャつけば」
「だから言い方・・」
因みにプライベートでは悠仁は伏黒と呼び捨てにしている。2人で歩きながら駅に向かう、始発まで時間があるので24時間のファミレスにはいり軽いものを頼むと悠仁は欠伸をする。たわいもない話しをしながら明日同じスタジオで伏黒はドラマCDで悠仁はアニメのキャラソンの収録がありで明後日オフが被り宅飲みの約束をして悠仁は楽しみに運ばれて来たアイスを口に含むのだった。
予定よりも早く終わって悠仁は伏黒のいるスタジオの近くの椅子に腰掛けてスマホを弄っていた。案の定伏黒とのラジオが話題になっており、どちらがネコかっと話題になっていた。
「やっぱり俺が攻め側か」
後で揶揄う事を決めてにんまりと笑って居るとスタジオのドアが開いた。
「終わったのか?」
しかし飛び出して来たスタッフが慌てている。すると伏黒が出てきて悠仁を見つける。
「終わった!伏黒」
伏黒を見つけて目を輝かす悠仁に驚いていたが首を左右に振り溜息をつく。
「だったの伏黒?」
「主役が来ねんだよ」
「病気?」
「分かんね・・・今日の飲み駄目かも」
その言葉に悠仁がシュンとなる例えるなら犬が叱られて耳が垂れるように。
「待ってるけど」
「あっ・・じゃ待ってろ」
1度中に消えて伏黒はすぐに帰って来ると悠仁の手首を掴み中に入る。
「えっ?伏黒?」
「俺と宿儺が先に収録するから先に見学してろ」
「マジで?いいの?」
「いいよ!虎杖君もいつかBL出てね」
部屋に入ると監督に声をかけられて悠仁は照れながら笑う。すぐに伏黒が更に奥に消えて宿儺とマイクに並ぶ。悠仁と宿儺そっくりで巷では腹違いの兄弟かと噂されているが、腹違いでは無く本当に兄弟だ。悠仁は母親と宿儺は父親と暮らしているし苗字も違えば察しがつくが、互いにプロフィールは一人っ子になっている。あとからデビューしたのに宿儺は先に知名度が上がった。
「伏黒が受けなんかな?」
「いや今回は宿儺君が受け」
「えっ?」
固まる悠仁に始まる濡ればに悠仁はまさか双子の弟の喘ぎを聞くとはと少し戸惑いながら見ていた、その時
「たぁ!」
不意に強く腕を掴まれてそちらを見る。綺麗な白金ブロンドの碧瞳、その瞳は酷く冷たくて悠仁が固まる。大好きな五条悟に睨まれて悠仁は戸惑う。
「遅れてきて、監督と呑気にお喋りとか君性格良いね?」
「えっ・・待って」
「待てじゃないよ先に謝れ」
戸惑う悠仁は固まるしかなく五条悟によられて泣きそうになる
「五条く~ん彼は違うよ~。この子は虎杖悠仁君、伏黒くんの収録待ちでBLのお勉強中」
「えっ?違う子?ごめんね」
ぱぁーと笑われて悠仁は二三歩後ろに下がる。
「恵の・・虎杖悠仁、あぁラジオで昨日告知してくれた子。どっちが攻めるか決まった?」
「えっ?なんでラジオの内容」
「恵がちゃんと告知するのが心配でね。そしたら君がしてくれて君のファンも騒いでくられてたし」
なんだ伏黒が心配で聞いたのかと思うと悠仁は少し寂しくなった。自分を五条が知るわけないかと何処かで納得させる。
「で?どっちがにゃーんってするの?」
下がってできた隙間がまた縮まり顔を近づけられて悠仁はぎゅっと目を閉じた。
「可愛いね」
くすくす笑われて揶揄われているのがわかり悠仁は顔を伏黒達に向けると五条の指が伸びてきて顎を掴まれて向きを帰られる。
「お話の途中に目をそなすなんて駄目だよ?ほら質問の答え」
「俺が、攻めるほう」
なぜが真っ赤になる悠仁に五条は軽く唇を舐める。
「監督?もう待てないから虎杖君使おうよ」
「言うとは思ったけど駄目だよ。虎杖君の事務所にも作者さんにも連絡しないと、それに五条君の相手役になんて言うの?」
「僕が待てないから変わったで良くない?」
悠仁を引っ張り腕に抱きこむ五条は悠仁の頭に顎を載せる。
「五条さん離して」
「逃げるからだめ」
もそもそする悠仁を更に抱き込み五条は顔を覗き込むと小さな声で囁く。
「いい子にしないと食べちゃうぞ」
「イメージ崩れた」
その言葉に一気に場の雰囲気が凍りつく。
「君のイメージ通りじゃ無くてごめんね。でも僕同僚まで爽やかなイメージじゃ売らないから」
機嫌が悪くなる五条に悠仁はキョトンとする。
「俺、五条さんの中がどんな人でも構わないけど?」
「あっ?イメージがって言ったよね?」
「それは・・」
少し照れている悠仁を五条が軽く睨む。
「五条さんの普段の声って、昔のバトルゲームのハルトに近いだよね。すげぇ好きなんだよハルト・・背が高くて、強くてかっけーし。イケメンだし」
「・・・ハルトって君の世代知らないよね?僕のデビュー作だし」
たまたま親の知り合いに出てみないっと誘われて、そのまま声優をしている五条にとってあれは少し恥ずかしいキャラでもある。
「うん・・親戚のお兄ちゃんが見せてくれて、そのあと飽きたからってくれて、大事にしてたんだよね。壊れた時は泣いて母ちゃん困らすぐらい」
その言葉に五条が照れる。あのキャラを好きと言われるのはむずがゆい。
「それにバトルの声が大好きで五条さんのアニメ見るようになって・・それからこの世界でって」
ハニカム悠仁をまた五条はその腕に包み込む。
「ねぇ悠仁に代役して貰おう?じゃないと俺帰るよ」
監督は時計を見ると溜息をつく。
「わかった色々相談してくるから待ってて」
「決まり!悠仁は台本見て。あっ、僕は仕事と私生活分けるから仕事は厳しいよ」
「待って!俺がすんの?このドラマCD?五条さんと?」
「気持ちよくしてあげる」
「そ!そんな事いらねから」
悠仁は台本を握りしめるがゆっくりとページを開いて目をどうしていくのだった。
五条と2人でマイクの前に立ち悠仁は小さく深呼吸をする。内容は、幼なじみ3人で同じ大学に入り、伏黒のキャラを好きだった主人公が気がついた時には、自分を抜いた2人が付き合っていた。2人と時間をずらすためにバイトを始めた主人公の働き先のオシャレなお店のお客さんの五条が演じるモデルを助けてそこから始まる恋。伏黒や宿儺のキャラも交えての2組のストーリー。一応悠仁達がメインになる。
『っう・・はぁいゃ・・』
『嫌とか嘘だよね?ちんこ痛そう』
『はなせぇ・・・やだぁ!さわ・・んなぁ』
『素直に気持ちいいって言えないわけ』
『んんっ!!いゃぁ・・いくぅ!』
・・・・・・・・・・・・
「・・・はぁう」
悠仁はソファに座ると間抜けな超えを出す。
「ご苦労さま、いい感じだったよ悠仁」
「お疲れ様です」
その隣に座りながら五条は悠仁の腰に腕を回す。
「あとは音つけたらCDできるよ」
「聞くの恥ずかしいかも」
「僕は何回も聞くかな?悠仁可愛かったし」
その言葉に悠仁の耳が赤くなる。
「伏黒のも聞くの?」
「確認はしたかな・・・」
その言葉に五条は悠仁の耳元に唇を寄せて
「プライベートで聞かせてくれたら確認しなくても済むんじゃない?」
「セフレ?」
不安げな瞳に五条はにこりと笑い。
「僕セフレに鍵を渡したいとは思わないから、とりあえず今日の飲み会家でして鍵を持って帰りなよ悠仁」
こめかみに柔らかいものがあたり悠仁の身体がふるえた。そして頷くと五条がクスリと笑うのがわかり手にしていた水を飲み干した。