空閑汐♂デイリー【Memories】02 冬入学と呼ばれる秋口から始められた授業も、ようやく一年目の折り返しと共に春が訪れる。二十人しか居ない同期達の中にも連帯感が生まれ始めた頃、学生達の端末に配信された順位表に声を上げたのはリュカ・シャルパンティエで。
「うわ、シオお前また実技一位かよ」
げぇ、というわざとらしい声と共に投げられた言葉に「上位にならないと課外の飛行訓練参加できないだろ」と汐見は眉を寄せる。
「課外飛行したいってだけで上位掻っ攫ってくのヤバいだろ」
「アマネだからねぇ」
汐見とシャルパンティエのやりとりにのんびりと口を挟むのは空閑、そんな空閑に続くようにフォスターも頷いた。
「大胆かつ繊細な操縦はいつ見ても惚れ惚れするぞ、そろそろジェット練習機に移行するんじゃないか? 教官が扱き甲斐があると言っていたな」
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