ミシェル「私、空中曲芸希望!🖐」
ミシェル「……って言ったよね?面接でも書類でもちゃんとそう書いたはずなんだけど。
どうして私動物曲芸担当になってるの?もしかして間違えちゃった?」
ロベルト「いえ間違えてませんよ、貴方はこれから動物曲芸担当です」
ミシェル「え……なによそれ!いくらロベルトでもそれはどうかと思うんだけど!」
ロベルト「志望が通らないことはよくあります。というか……貴方は空中曲芸に落選しました。
動物曲芸が出来ないなら貴方は衣装係の仕事にのみ専念してください」
ミシェル「落選!?私、落ちたの?あんなに可憐で派手で目立ってたのに?」
ロベルト「はい」
ミシェル「おかしいよこんなの!私はあの中で1番綺麗に演技出来てた!ナンバーワンに目立ってたはずなのに!」
ロベルト「確かに貴方は容量が良く演技も華やかで美しかった。ですが貴方は他の方と息を合わせるのが致命的に苦手でしたからね」
ミシェル「それは違うわ。相手が私に合わせてくれなかっただけ」
ロベルト「そういうところですよ。貴方に合わせる気がないのですから素晴らしいコンビネーションは生まれません。それでは不合格です」
ミシェル「む……っ!そもそも動物大して好きじゃないんだけど?怖いし臭いし、何考えてるか分からないもん。絶ッ対やりたくない!」
ロベルト「そうですか?貴方なら適性があったと思ったんですが……残念です」
ミシェル「本当に残念だと思ってる?」
ロベルト「もちろん。貴方のパフォーマンスはとても良かった。間違いなくあの舞台で1番輝いてましたよ」
ミシェル「! 本当に?1番?」
ロベルト「嘘はつきません。ですから……もうあのパフォーマンスを見れないと思うと残念でしかないです」
ミシェル「……1番かぁ」
ロベルト「はい。どうですか、やりますか?」
ミシェル「ちょっと気になっただけ。どうせ空中ブランコ出来ないんでしょ?」
ロベルト「そうですね、少なくとも今の貴方には向かない」
ミシェル「……わかった。とりあえず見るだけね。私はまだ空中曲芸諦めないもん」
ロベルト「わかりました。では行きましょうか」
モブ猛獣使い「この子はレオナルド、ほら、挨拶」
ミシェル「ライオン?本物!?」
ロベルト「本物です。調教済のライオンですが……人を襲わないとは限りません」
ミシェル「こ、怖いこと言わないでよぉ!」
ロベルト「あ、レオナルド……」
ミシェル「え……?」
モブ猛獣使い「レオナルド!?」
ミシェル「え?きゃあ!こっち向かってきてる!助けてロベルト!」
ロベルト「大丈夫、目を開けて」
ミシェル「……あ」
レオナルド「♪︎」スリスリ
モブ猛獣使い「凄い、この子がいきなり懐くなんて……君、昔やってたの?」
ミシェル「やってないです……私、懐かれてるの……?」
ロベルト「そうですね。貴方は人だけではなく、動物を魅了させる力もあるみたいですね」
ミシェル「……」
猛獣使い「動物に好かれやすい君なら素敵なショーに出来るかもね」
ミシェル「……でも私、まだ……」
ロベルト「今決めなくても良いですよ、ただし来週までに決めてください」
ミシェル「うん……」
ミシェル「ねえロベルト様、どうして私があの子に好かれるって分かったの?私動物曲芸の面接受けてないのに」
ロベルト「その前に貴方はレオナルドたちと会ったことがあるんですよ。貴方は気付いていなかったのかもしれませんが……
その時の動物たちの反応を見て君なら人相手より動物とのコンビが向いていると思ったんです」
ミシェル「まあ、それだけ?勝手ね!でも確かにその通りだと思う。
人相手だと私の思い通りにならないと嫌って思っちゃうんだけど、動物なら……仕方ないかって思えるんだよね」
ロベルト「……もうかなり傾いてきてますね?」
ミシェル「でも、空中曲芸ってとても華麗で、素敵なの。私がやったらみんな私に釘付けになると思うわ」
ロベルト「……」
ミシェル「ねえ、ロベルト様?」
ロベルト「なんですか?」
ミシェル「……ロベルトは、私の事見てくれる?」
ロベルト「?」
ミシェル「私、ロベルトが私の事見ててくれるならやる!」
ロベルト「!そうですか。もちろん見ますよ」
ミシェル「……ああもう、鈍感なロベルト様も素敵ね。私と動物たちのコンビから目を離せないようにしてあげる!」
ロベルト「それは楽しみです。ステージを楽しみにしてますね」
ミシェル「うん!」