ロベルト「ロビン……起きてますか?ご飯送りますね」
ロビン「あー?わーったよ。いちいち声掛けんなよ……」
ロビン「えーっと、鍵は……」
モブ看守「あ!ここにいたのかロベルト!」
ロベルト「っ!? あっ!」
モブ看守「えっ?」
モブ看守「え?え?ロベルト?あれ?どこ行った?今居たよな?」
ミシェル「(ロベルト様が……鏡の中に入っちゃった!)」
ミシェル「(ど、どうにかしなきゃ!でも他の看守にバレたら絶対邪魔されちゃうわ……)」
モブ看守「え〜?どこいった〜?」
ミシェル「(もう!早くどっか行ってよ!)」
〜鏡の中〜
ロベルト「……(まずいことになった……)」
ロベルト「(ここは鏡の中……だよな?信じたくない現実だけど……目の前にロビンがいる)」
ロビン「……」
ロベルト「(幸いにもこちらには気付いていないようだが……時間の問題だな。すぐに戻らなければ──)」
ロビン「……あ?」
ロベルト「! (さすがにバレるか……)」
ロビン「ロベルト?本物か?」
ロベルト「……」
ロビン「ッどちらにしろ死ね!!」
ロベルト「っ!(やっぱりこうなる……!)」
ロビン「おいなに避けてんだよ……?ここは俺の世界だろ?俺の言う通りにしろよ……ッ!」
ロベルト「するわけないだろう!」
ロベルト「(今持ってるのは鞭のみ……どうにか手からナイフを外したいが……)」
ロビン「よそ見してんじゃねェよ!!」
ロベルト「……っ!」
ロビン「テメェを殺すッ そんで鏡から出る!」
ロベルト「僕を殺したところで、鏡から出られるわけないでしょう!」
ロビン「それはどうかなァ?テメェの姿がないってことはよォ……すぐ馬鹿女が気付く。
大好きなロベルト様がいないってなったらどう考える?アイツは鏡の存在も知ってるから、テメェがここに誤って入ったって考えるだろうなァ……
けどよ、お前忘れてねえか?俺はお前と反吐が出るほどそっくりなんだよ!あの頭の中お花畑が区別できるわけねぇだろ!」
ロベルト「……出来ますよ、彼女なら……」
ロビン「ハッ!そんな信頼関係あったのかよ?サミィ〜……いいから死ねッ!」
ロベルト「くっ!」
ロベルト「僕を殺したとしても、“彼女”なら絶対に気付きます。キミがロビンってことに」
ロビン「あぁ……?」
ロベルト「僕が言ってるのはプリンセスです。彼女はキミに恋をした。一目惚れですよ。僕も同じ見た目なのに、キミだった。そんな彼女がキミを間違うはずない」
ロビン「はあ?お前……前から思ってたけどスッゲェ馬鹿だよな?アイツは俺が脱走することを願ってるんだぜ?
アイツはなぁ、お前と俺が成り代わったところで困ることねーんだよ!」
ロベルト「ええそうです。でもキミは彼女を襲うことになる。理性がいないんですから。
彼女もそれは本望でないはずだ。彼女は、キミと幸せになりたいと思ってるんですからね。それに、プリンセスだけでなく他の囚人を襲ったら投獄どころか死刑になりますよ……」
ロビン「……」
ロベルト「キミが鏡に幽閉されていることの意味を思い出してください。せっかく出来た大切な人を傷つけていいんですか!?」
ロビン「うるせえな……うるせェ……ッ!!」
ロベルト「(今……!)」
ロビン「あッ!?ナっ……!クソ!」
ロベルト「ふう……ナイフはしばらく預かります」
ロビン「おい返せ!!返せよッ!!」
ロベルト「返しません」
ミシェル「ロベルトー!ねえ、大丈夫!?」
ロベルト「! ミシェル!」
ロビン「(馬鹿女!?チッこうなったら……) 助けに来てくれたんですね!」
ロベルト「! (僕のフリを……)」
ミシェル「ロベルト!?」
ロビン「よかった……!すみません、ロビンに鞭を取られてしまったんです。早く出して!」
ミシェル「うん!えーと」
ロベルト「待ちなさいミシェル!そっちはロビンです!」
ロビン「ロビン……!」
ミシェル「ロベルト、大丈夫よ。私がロベルト様を間違えるわけないじゃない♪ 待ってて!」
ロベルト「ミシェル……」
ロビン「(くく、やっぱ馬鹿女じゃねえか……)」
ミシェル「鍵を使えばいいのよね?そういうことなのよね?」
ロビン「そうです!急いで!」
ロベルト「……鍵の使い方は分かるんですか?」
ミシェル「分からないけど分かるわ!」
ロビン「大丈夫ですか……?(どっちだよ)」
ミシェル「へーきよへーき!」
ロベルト「まぁ、先程試していたようですし大丈夫ですよね」
ミシェル「えっ……バレちゃった?」
ロビン「(マジかよ……アレか) バレバレですよ、さっきは無かった貴方のリボンが増えてるんですから」
ミシェル「な、なんかロベルトの口調が2人いるのそわそわするっ!もう出しちゃうわね!えーい!」
ロベルト「……」
ロビン「……(バカがよ……)」
ロベルト「……戻った」
ロビン「……は? はァ!?おい!!どういうことだよ!!なにやってんだテメェはよッ!!違うだろーが!!」
ミシェル「むっひどーい!間違ってなんかないし。あ、リボンあとで返してよね?」
ロビン「うっせぇぞボケ!あぁ〜クソ!クソが!!」
ロベルト「……ミシェル、どうして分かったんですか?」
ミシェル「えー?わかるよ!ロベルト様がロビンなんかに鞭取られるわけないじゃない♪」
ロビン「はぁ〜〜??そんな理由かよ!クソ!」
ミシェル「うふふ。あ〜プリンセスに見せたかったなぁ。あんな面白いロビンなかなか見れないし」
ロビン「気が変わった。ロベルトの前にテメェを殺す!」
ミシェル「こわ〜い!ロベルト様助けて♡」
ロベルト「はは……ともかく助かりました。本当に……」
ミシェル「そういえば、ロベルト様が消えたことにびっくりしてる看守様がいたよ?」
ロベルト「ああ、そういえば……マジックということにしておきましょう」
ミシェル「うん♪」
ロビン「(テキトー過ぎるだろ……!)」
ロベルト「なにはともあれありがとうございました。あなたのおかげです。本当に」
ミシェル「えっ……!え、えへへ……ロベルトの役に立てたら私も嬉しい……」
ロベルト「お礼させてください。そうだ、ご馳走します。先生も呼びましょう」
ミシェル「えー!2人きりでいいのに!」
ロビン「チッ……あーもう全員死ね!」
ロベルト「大丈夫、ロビンの分も用意しますよ」
ロビン「そうじゃねえよボケ!」
ミシェル「そうよ、ロビンに用意する必要ないわ!」
ロビン「ああ?」
ミシェル「……(睨」
ロベルト「そう言わずに」
ミシェル「ま、いーわ!ロベルト様が帰ってきてくれて今は機嫌がいいの。同席を許してあげる」
ロビン「はァ〜〜???」
ミシェル「(やっぱり……ロベルトがあんな目で私を見るわけないわね)」
ミシェル「(この私が間違えるわけなかったけど……でも、やっぱり怖かったなあ……)」
ミシェル「(これがもしニアなら……どうなったのかな)」
ロベルト「ミシェル?」
ミシェル「あ、はーい♡」