所長「ロベルト、久しぶりだな」
ロベルト「お久しぶりです。報告が遅くなってしまい申し訳ありません」
所長「なに、来なかったことを責めてるわけじゃない。お前のことだ、仕事が忙しかったんだろう?最近調子はどうだ、無理はしてないか」
ロベルト「私は元気です。主任も気をつかってくださって十分な休養は取らせていただいているので」
所長「主任……アルフレッドか。フン……。じゃあ、アイツの方は?」
ロベルト「……ロビンの健康状態も問題ないとのことです。時々不摂生はしていますが……彼も気にしているのか、筋トレは続けているようです」
所長「そうか、様子の方は?」
ロベルト「……そのことですが、ご報告があります」
所長「なんだ?」
ロベルト「ロビンの存在を囚人に知られてしまいました」
所長「……なんだと?」
ロベルト「その囚人はロビンに対して好意的で、ロビンの存在は誰にも知らせないようにすると約束してくれました。ロビンもその囚人を邪険に扱いつつも、看守に対しての態度とは違い態度は軟化しています」
所長「…………ッ分かった。それで、君の見解はどうなんだね」
ロベルト「私は……その囚人との関わりを断つべきでは無いと考えています」
所長「ロベルト……いい加減考えが甘いんじゃないか?」
ロベルト「そうお考えになるのも当然です。ですが彼女の存在は……ロビンが変わるチャンスになると考えています。警戒対象である看守以外との関わりは、ロビンにとって良い影響を与える可能性があります」
所長「いい影響……?悪い影響の間違いじゃないかね」
ロベルト「良い影響です。事実、彼は変わり始めています」
所長「変わるだと?」
ロベルト「はい。私に任せていただけませんか」
所長「……わかった、いいだろう。その囚人との関わりは許可する。しかしその囚人と奴が共謀したら──」
ロベルト「もちろん覚悟の上です」
所長「ああ、間違っても気の迷いに惑わされるなよ。お前は奴とは違う、そうだろう?君が奴を躾られる唯一の存在なんだ、期待しているよ」
ロベルト「…………はい」
アルフレッド「おかえり」
ロベルト「!主任……ただいま戻りました」
アルフレッド「悪いな、俺が代わりに行けなくて」
ロベルト「いえ、これは僕でないといけませんから……ありがとうございます」
アルフレッド「はは、それもそうだな」
アルフレッド「まあなんだ、大丈夫、何かあったら俺を頼れ。これはお前自身だけの問題じゃないんだ。俺じゃなくてもいいから、誰かを頼ることをゆっくり覚えていけ」
ロベルト「……っはい」
アルフレッド「よし!今日は甘いものでも食いに行くか!」
ロベルト「! はい!」