「君に紹介したい子がいてね。ロベルト、来なさい」
「はじめまして、ロベルトです。よろしくお願いします」
──最初の印象は、掴みどころのない奴だな、だった。
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ロベルトと出会ったきっかけは、彼の担当医師である××の紹介だった。
彼が作る刑務所──〈サーカス〉にロベルトを働かせたいから、見守り役になって欲しいと直々に頼まれたのだ。
承諾した俺は、まだ高校生であるロベルトと面談をすることになり、今に至る。
××はロベルトが少年院に入った頃から面倒を見ていたようで、ロベルトは掴みどころのない青年ではあるものの××には心を開いているように見えた。
「俺はアルフレッド。こちらこそよろしくな。先生には俺もよく世話になっていたんだ」
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