なぞなぞ日曜日の昼下り。これといった用事もなく、暇つぶしにつけたテレビ番組もつまらない。
杉元は一人で暇を持て余し、隣で小説を読み耽る鯉登に話しかける。
「ねぇ鯉登ォ〜」
「ん」
「暇だから何か面白い話してよ」
「オイは今いいところじゃ。後にしてくれ」
いつもなら一緒に暇を持て余してくれるはずの恋人が、今日はつれない。
「えぇ〜。折角一緒にいるのに〜?つまんないつまんない〜!」
「なんだ唐突に…。面白い話なんてそんなに都合よく思いつくわけ……あっ」
「それだ!都合良く思いついたその話、聞きたい聞きたい〜」
「いやその…この間、たまたま聞こえただけなんだけどな…。」
歯切れの悪い鯉登の話を要約すると、先日鯉登が大学の友人たちと飲みに行った際、隣から漏れ聞こえた話で、合コンをしているグループが盛り上がって女の子達へ仕掛けた一種のアソビなのだそうだ。
「何そのバツの悪そうな言い訳?いいから内容話してよ?」
「お、オイの気遣いを無碍にしよってからに…!よし杉元。これから3つのなぞなぞを出す。答えられる自信はあるか?」
「なぞなぞ?そんなの小学生がやる遊びでしょ?1問でも間違えたら何でも言うこと聞いちゃう。」
「…男に二言はないな?」
「任せろ!代わりに俺が勝ったら明日のゴミ捨ては任せるぜ」
漢の約束を交わした。
「では、第1問。好きな人と一緒にいると、すぐにたっちゃうモノとは?」
「ソッチ系!?いやまて実は引っ掛け問題で、何か他にそれっぽい答えがあるはず…。」
「オイはわかったぞ。3、2、1…」
「ぐぬぬぬぬぅ…ちん○!!!」
「第2問。」
「答えは!?」
「あとでまとめて教えるから落ち着け。
第2問。男性の真ん中でブラブラしているモノは?」
「ちん○じゃん…。えっ何これ新手のセクハラ…?ちん○じゃないならヒントほしい…。」
「人によって長さが違うし、太かったり細かったりするぞ」
「ちん○じゃん!ファイナルアンサーだよ!!」
「最終第3問。Hになればなるほど、硬くなるモノは?」
「ちん○じゃん!!!!!」
「杉元…。残念ながら全問不正解だ。こんなに破廉恥なやつだったとは…。失望したぞ。」
「だってちん○じゃん!!!!!結局答えは?ねえ何なの?」
「1問目は時間。オイは当然わかったというのに、杉元は日頃からそういうことばかり考えて…」
「ないです!でもそうか時間か、なるほどね…」
「2問目はネクタイ。ヒントも出したというのに…」
「あんなヒント、誘導にもほどがある」
「3問目は鉛筆。これはちょっと意地が悪いな」
「あぁ、HBとか2Hとかね…。わかるかこんなもん!!!」
「ところで鯉登は何問正解だったの?
1問目だけは得意気にしてるけど、もしかして1問だけ?他は何だと思ったの?」
「お、オイのことはよか!どちらにせよ杉元、ワイの負けじゃ!言うことは聞いてもらう!」
「えぇ〜?じゃあ言うことは聞くから明日のゴミ捨ては頼むよ〜」
「仕方なか、ゴミは捨ててやる。代わりにハーゲンダッツ奢れ。暇なんだろ、コンビニ行くぞ。」
「うーい」
おしまい