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    tsunati

    @tsunati

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    文字書きの端くれ。ほぼ腐向けを生産。
    支部に上げる前に書き散らしたかったりプロット置き場。
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    ヒバニキは喫煙者という集団幻覚は爛雪もしっかり見ています、の小話。
    ヒバアルです。

    #ヒバハン♂
    #二時創作
    secondTimeCreation

    初めて知った顔 ふぅー、と普段とは違う息を吐けば、白く煙って吐息の軌跡が溶けて消える。何となくこれを眺めているのは嫌いじゃない。
    「ヒバサにぃ」
    「……ン?どうした、何か用事だったか?」
    「ううん。ただここに居るって聞いたから」
    「……どうした?」
    「あ……いや、煙草、吸うんだなって」
    「…………あー……」
     じっと見てくるから、何かと思えば。
    「まァ……隠してた訳じゃあねェんだけどよ」
     会う前に吸った時は、落陽草の花を使っていたから匂いに気付かなかったのだろう。
    「嫌だったら止めるよ」
    「え?何で?」
    「え」
    「俺と居る時に吸ったこと無いのにって思って見ちゃったけど、別に嫌じゃないし……。ただ何でかなって思っただけで、止めて欲しい訳じゃないから大丈夫だよ」
     そう言って隣に座るものだから、やはり煙草はもう消そう。そうして空いた手で抱き寄せても、本当に特に嫌がる様子は無かった。
    「煙草って、吸う人はいつでも吸うんだと思ってた」
    「まァそういう奴は多いな。ただ……」
     ぐ、ともう少しだけ力を入れて腰を抱き寄せ、真っ直ぐ見詰めるその瞳を覗く。
    「お前と居る時には必要無ェ。……何でかわかるか?」
     素直にふるふると首を振るのに少し笑って、そっと顔を覆う髪を払う。
    「お前と居る時に口寂しいなんて思わねェからだよ」
     意識して見詰めてやれば、途端に赤くなって慌て出すのが本当に愛おしい。
     ただ、今は口付けることはしない。煙草の匂いなんぞお前には似合わないからな。
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