Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    yirugf

    @yirugf

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 8

    yirugf

    ☆quiet follow

    反転ロド お城支部の世界線です

    反転ロド お城シックスパックのアルマジロ添えスーパーの買い物カゴにに飛び込んできた丸があった。驚いて注視すると焼き立てパン色の丸は解け、大層愛らしいアルマジロが凛々しい目でドラルクを見上げた。
    「使い魔になるアルマジロのジョンです」
    「ドラルクだ。よろしく」
    使い魔契約もまだなのに言葉が通じる私たちは畏怖だ。次元を超えてきたというのでそういうこともあるのだろう。
    名前を呼んで頭を撫でる。ジョンはムンと両腕に力を入れて力瘤を作り白い胸毛の下で六つに割れた腹筋を披露した。武者修行の成果という筋肉を讃え自身の貧相な腕に抱き上げる。
    「帰ったらお風呂だ」
    食品を入れるカゴに武者修行帰りのアルマジロはいただけない。何を食べたい?と話しながらスーパーを歩き回る。使い魔契約をすることは当然に思えたので、帰るなり一人と一匹で風呂に入り入念な保湿の後パンケーキの食事をした。晩酌のドラルクの血は「ヌエエエエ」とジョンが口直しを求めるほど美味しくなかった。

    経緯はまるで一目惚れで数時間のうちに主従になったようなのだが、ジョンとドラルクの間には百八十年の月日を共にしたような感覚があった。ジョンはまだ生後数年であるし、ドラルクは百八十年余り城の壁と棺の蓋しか見ていなかったので夢のような話なのだがそう感じてしまうものは仕方ない。仕事で出かけているうちに使い魔契約の先を越されたロナルドはすっかりしっくりした主従に恨みがましい目を向けるのみである。
    「ジョンさんはとても愛らしいですわ。お二人が一緒にいるのも当然に感じます。即刻わたくしも使い魔にしていただいてお二人のあいだに入れて頂きたいのですけれど」
    「お嬢様の話はまた今度になっただろう?」
    「プロポーズは受けてくださったじゃありませんの!籍だけでもいれてくださいませ!」
    「ヌエ?」
    「せめて一年は付き合った方がいいと師匠が」
    「あの髭むしりとってやる」
    「お嬢様落ち着いて」
    ドラルクとジョンの周りに見える可愛らしい空気をかき集めるようにロナルドが両腕を動かし暴れる。どうどうと宥める。
    「お髭さんとは連絡を取ってらっしゃるの?」
    耳に注ぎ込むような声に平たい機械を出した。先日お嬢様が勧めてくれたスマートフォンは師匠も持っていて連絡先を交換したのだ。師匠がお父様も登録してくれたが、こちらは私から挨拶を送ったっきりになっている。
    「二人だけのホットラインのつもりでしたのに」
    「冷戦の相手にこそホットラインは必要だと師匠がいっていたよ。お嬢様は毎日会っているじゃないか」
    お嬢様は週の半分は城で過ごしている。シンヨコでの仕事がメインだから完全な引っ越しは難しいと嘆くが私は今くらいの距離が丁度いい。
    お茶を淹れながらジョンにロナルドとの馴れ初めからプロポーズを受けたことまで赤くなり羞恥でつっかえながら話した。
    「ヌー」
    ジョンもドラルクさまの魂の伴侶ですよ。小さなティーカップを出すとジョンが穏やかに言った。
    「嬉しいよ」
    「今なんておっしゃいましたの?」
    ジョンの言葉に胸がきゅっとした。お嬢様が少し低い声で尋ねて来たけれどこれは大事に胸の奥にとっておくことにした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖😍💖😍💖😍💖😍💖😭❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works