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    もんじ

    卓関連の文とか
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    もんじ

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    ゲヘナAn『ドキサバ』

    ##TRPG

    140字とかのSS40字

    私は、結局の所。許しが欲しかったのだと思う。人らしく振る舞うための。人として生きるための。誰かを思うことを。私にはその資格などないと思っていたから。恋などというものも。愛などというものも。すべて。すべて。――だが、今は違う。貴方を見る度に思うのだ。私は、貴方に恋をしているのだと。

    『これを愛や恋と呼ばぬなら』/レザー


    僕の世界というのは、元々狭くて小さくて暗い暗いところだった。ある日突然、それは開けて変わったのだけれど、黒い砂が積もりに積もった僕の世界はとても見せられるものじゃない。――だったのだけど、君に恋して大好きになって、お掃除した。今では、僕の世界は君への愛が溢れているのだ!なんてね。

    『ラブ・ユー!』/ヨナ


    浮いて飛んでしまうような身体に重りが付いたようだ。お前に触れて、名を呼んで、熱を奪ってはその度に、枷となって重くなってゆく。そうして、いつしか身体は軽くなるのを止めた。飛んで消えゆくはずだったのに、枷が重くて飛べやしないようだ。――どうやら、この重い枷の名は『未練』と言うらしい。

    『飛べない鳥に』/ハンニバル

    ※以下未完成
    「えっ……」
    驚きと、焦燥と、戸惑いとが混ざって、いつも通りの光景のはずなのに、いつも通りには見えなかった。
    いつも通り、彼が冗談交じりに僕を押し倒しただけだというのに。それなのに。僕はどうして、こんなに熱いのだろう。
    だって、いつもなら笑って、戯けている彼の表情が、いつにもなく鋭くて、真っ直ぐで、それだけでとても、日常が崩れていくような感じがしたのだった。


    ことの始まりは、いつだったか。遡ぼろうと思えば遡ることはいくらでもできる。彼と出会ったのは、約2年前の出来事だった。
    僕は、死ぬつもりでこの紫杯連の門を叩いた。ここで死んだら、死体は片付けてくれる。だったら、往来の場所で野垂れ死ぬよりはいいんじゃないか。そう思ってのことだった。
    でも、僕は生き残ってしまった。その時、少しだけ安心した。死ななかったことに。何かに選ばれたということに。
    そして少しだけ、少しだけ、絶望した。こんな苦しい世界を、まだ生きなければならないのかと。
    そんな時に出会ったのが、彼だった。

    明るくて、真っ直ぐで、ちょっと抜けているところもあるけど、優しくて。同期かつ同年代ということもあり、僕達はよく一緒に行動した。そして仲良くなった。
    支部の社宅も予算の都合上で一緒に住んでいるけど、喧嘩したことなんて一度もなかった。
    とても仲がいい親友だと思っていた。
    あの時までは、僕はそう思っていた。

    ハンニバルの提案で行った、山での任務もといバカンス。そこでは何故か『○○しないと出られない部屋』があったり、邪霊が出たりとそれはもう大変だった。
    邪霊が出たのも問題だけど、もうひとつの方が問題だった。『○○しないと出られない部屋』。その内容は色々あったけど、うどんを作ったり、コスプレしたり、その他多数……。
    そんな中に閉じ込められた僕と彼。
    そして出口に書かれていた『キスをしないと出られない部屋』。

    メレクとベルカの話


    「君のお母さん、死んじゃったんだ」
    そう目の前に座る天使は言った。深く被られたフードの下から、張り付いたような笑みが覗く。だがその上にある宵闇のような瞳は笑っておらず、相変わらず僕を見透かすようで気味が悪かった。
    何故、何故と問う。今更何故こうして、ここまで来たのか。わざわざ、あのひとの死を伝えに来たのだろう。
    彼――ソネルに対して、僕は良い感情を持っていない。彼は前の、袈唇に居た頃の『教育係』だった。何を教育されていたか、なんて思い出したくもない。ただ、今言えることは、あの時の僕は僕じゃなかった。
    こうして対峙するのはいつ以来か。おそらく、アシェルが僕を助けた夜以来のはずである。
    そして、ヨナカーンという天使は、その時に死んだ。

    バランスを崩しながら走る。既に右腕は無くなって、致し方なく翼も無くした。だというのに、追いかける足音は止まない。
    土地勘もない、知らない土地の、知らない路地を右へ左へと抜けて行く。息はもう絶え絶えで、左腕は斬り付けられて上手く動かない。そして足はとっくに悲鳴を上げていた。こうして、逃げているのが不思議なほどに。
    僕は逃げていた。元の場所から。袈唇から。抜け出して、逃げていた。
    それを阻もうと、連れ戻そうとする者が後ろからやってくる。黒砂の詰まった砂袋はもう空っぽで、攻撃用の魔術を仕込んでいた腕もない。
    絶体絶命、という言葉がまさに似合う状況だった。

    ヨナの昔の話
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