1章一話小さい頃から友達が居なかった。
いつも教室の隅でみんなを眺めていた
そのくせ運動も出来ないし取り柄もない…そんな僕は気づけばもう高校二年生になっていた。
リリリリリリリリ!
僕;「ううん…?うるさいな…」
目覚まし時計を切る。
カチッ。
僕;「今日もまた学校か…辛いな…。友達も出来ないし…」
お母さん;「ご飯できたわよー」
胸の中のわだかまりがどんどん増えていく。でも、僕みたいなやつに限って体は丈夫にできている。
僕;「はーい。今行く」
タタンと階段を掛け下りる。
僕;「あ、兄貴」
清;「俺のことは兄貴ではなくしん兄ちゃんと呼べと何回も言っているだろう!」
僕;「分かった…」
清;「なら良い!ほらさっさと席につくんだ!折角のお母さんの料理が覚めてしまうからな!」
明るくて社交的。僕とま反対の性格。
…苦手だ。学校ではさぞ楽しいんだろうな。僕は友達すら出来ないのに。人と喋ることすら出来ないのに。
清;「最近元気無さそうだが学校はどうだ?」
僕;「…別に普通だよ」
清;「本当か?困ったことがあれば何でも言うんだぞ!」
それは兄貴が僕よりも社会的だからだろうか。僕は劣っているからだろうか。
胸の中のもやもやがどっと溢れ出す。いつもはこんな事考えないのに。こんなことしないのに。
僕はこんなやつじゃないのに。
清;「今度俺の友達を紹介してやろう♪きっとお前も喜ぶ…」
ダンッ
僕;「分かったような口聞くなよ…本当は僕の事何も知らない癖に」
いつの間にか両手は机を叩き、思いもよらない言葉を口走っていた
身体中が震える。違う、こんな事を言いたかった訳じゃない。
清;「明っ、ごめ…」
僕;「もういいよ。僕の事は気にしないで…」
謝らないと行けないのに体が部屋の外へ向かう。
バタン
清;「明…」