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    チィカマ

    成人済みの腐。夏五夏(生産はもっぱら夏五)。夏油傑に沼っているモノガキど素人です。画像小説とか、途中書きとか、諸々置き場。

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    POIPOI 14

    チィカマ

    DONEGEGO DIG. 1week challenge
    10月お題より、画像小説の上げ直し。
    AM 3:30(お題:頼み事より)闇の中で、カチッと錠の外れる音が鳴り響く。密閉された室内に、じっとりとした空気が連れ込まれ、雨が降っているのだと気付かされた。たった今帰宅した家主は、昼夜関係なく働き詰めできっとクタクタなのだろう。重い足取りで浴室に向かった様子で、程なくして、勢いよく流れるシャワー音がする。おそらく雨に濡れるといったストレスとは無縁だろうが、その分彼は別のストレスを背負い込んできたはずだ。拒絶の術式を持っているのにも関わらず、彼はどこまでも他人に介入しようとする。
     不憫だなぁと、私は真っ暗な部屋のベッドに寝そべりながら率直に思った。手の届く範囲にある大切なものたちに積極的に介入し、驚くほど堅実にそれらを守ることに徹しているのだ。世界を滅ぼせるほどの力を持っているというのに。その健気さが愛おしく、哀れだ。私であれば遠慮なく世界の不要物は滅ぼすだろう。豊満な土壌のためなら植生を全て焼き払って灰にしてしまったって構わないはずだと思う。それなのにちまちまと鍬で骨を折る。なんて地道で辛抱強い真似だ。だから悟には適わないなと思う。
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    チィカマ

    DONEGEGO DIG. 1week challengeの
    9月のお題より。(画像小説の上げ直し)
    熱分解(お題:燃えるゴミ)未登録の特級呪霊が何度か目撃されたようなので現場に向かえ、と五条の携帯に連絡が入ったのは、すでに仰せつかっている別の特級案件の任務地にたどり着いた時だった。たった今、別の呪いを祓うところだが、どちらを優先すればいいかと訊ねれば、「はやくそちらを片付けて、なるべく早く次の現場に向かえ」と。つまり、「両方」ということだ。相変わらず命令を下す上層部はこちらを機械か何かだと勘違いしているらしい。だが、機械よりも優れた精度で無理な要求にも難なく応えてしまう人間が、五条悟という男である。
    「はいはい、善処するよ。その代わりさ、この間僕がお願いしたあの件、当然呑んでくれるんだよね?」
     車のドアをバタンと閉めながら、五条は電話口で二つ返事をした。もちろん、こちらの要求を通すことも忘れない。向こうは二つ返事とはいかないので、こういうときに何度も牽制しておくことがこの世界での五条の歩き方である。聞き取りづらい声でごにょごにょとほざくので、そのまま電話を切った。五条は一度伸びをして、補助監督が用意した帳の中へと足を進めた。
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