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    hariyama_jigoku

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    hariyama_jigoku

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    鍾タル。ロシiアンクッiキー作る公i子。

    ##原神

    うつらうつらと甘いのは あっ、先生。おはよう、仕事もう終わったんだ。まあ確かにもう昼だね、俺さっき起きたばかりだからさあ……誰のせいだと思ってるの。
     香り? ああ、クッキーのことかな。そう、今焼いてるんだ。もう少しで焼けると思うよ。うん、簡単なものならね。この前相棒とおちびちゃんに故郷でよく食べてたお菓子の話をしたらさ、食べてみたいって言われちゃって。ただのクッキーなんだけど、ちょっとモンドとかのとは違うみたいで。
     先生もそうなんだ。今焼いてるのができたらまた新しいのを焼くつもりだから、見てみる? いいよ。でも手は洗ってきてね。それに、ちょっと手伝ってよ。
     そこ、不満そうな顔しない! うちじゃただ見てるだけじゃお菓子にはありつけないんだよ。相棒はそもそもこの前手合わせしたお礼なんだから。
     ん? ああ、俺も甘いものは嫌いじゃないしね。それにうちで作る時はいつもこんなものだよ。人数が多いからね、少なく作って分量を見誤るよりかはいいと思って。
     やる気になってくれてよかったよ。じゃあ生地を絞ってもらおうかな。俺がお手本を見せてあげるから、よく見てて。
     まず、円形に丸を作るように絞って、真ん中で止める。ちょっと持ってて……で、その上にジャムを乗せてっと。ありがと先生。もう一回ジャムを囲うように生地を絞る……これでオッケー。分かった?
     じゃあちょっとやってみよ。ジャム乗せるのは俺がやってあげるから、先生は絞るのだけやってくれればいいから。はい。
     ものは試しだよ。先生が料理する時はほんと時間がかかるから、こういう簡単なのから慣らしてみるのもいいんじゃない? ええ……そこは分かり合えないな。食べたいものがあるなら、質はどうあれ俺はさっさと食べたいけど。
     分かった分かった。天板から目を離さないで。……そうそう、ゆっくりでいいから。手震えてるよ? 冗談だって、でもいい感じだね。はいジャム。手本が必要なら俺のを見てくれればいいから。……、初めてにしては上出来じゃない?
     うーん、あんまり絞り袋握るのに、力入れちゃだめだよ。さ、どんどん行こう。先生大雑把なところあるけど、不器用ではないんだからすぐ慣れるよ。
     俺はちょっと焼き上がりを見てくるから、下の土台だけどんどん作っちゃって。
     ……ねえ先生! すごいいい匂いするよ、ほらほらほら。……ね、そうでしょ。久しぶりに作ったけど、やっぱりレシピがいいんだな。これをちょっと冷ましておくんだけど、先生には特別に焼き立て一枚食べてもいいよ。ジャムも熱くなってるから、火傷だけ気を付けてね。
     ほら、俺が代わるよ。うんうん、やっぱり先生覚えが早いね。流石神様。え、まあいいじゃん。細かいことはさ?
     ……どう、美味し? ふ、ははっ、ねえ、もう! ほら水……だから熱いって言ったのに! はー、あはは……大丈夫? ならいいんだけど。うん? それなら良かった。家族にも好評だったしね、不味いわけないんだけど。
     よし、次も焼くから先生ちょっと退いて。あと一回分くらいは焼けるかな……っと。またしばらく待ったら焼き立てができるよ。でも冷めても美味しいよ。さっきの分が冷めたら、お茶にしようか。
     ん? そりゃあね、拗ねてるみたいだったから特別だよ。ええ? そんなの……どっちだと思う? はは、秘密だよ。
     ほらさっさと生地を絞り終えないと、生地がゆるくなる! そんな顔したってだめだよ……。ちょっと、もう、しょうがないなあ。今度は先生のリクエストに答えてあげるから。それでいい? でも、無理難題はいやだよ。うん、じゃあ約束ね。先生。
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    hariyama_jigoku

    DONE鋭百小説(鋭百々)。付き合ってていちゃついてる二人。互いの無意識の話。
    侵食 ちゅ、ちゅ、とリップ音が鼓膜を舐めるように繰り返される。くらくらと、その度に指先から全身に火が点っていくようだった。無意識に腰が引けるが、腰に回された腕が程よくそれを妨げている。
     眉見の肩に手を置くと、それを合図と思ったのか殊更ゆっくり唇が合わせられた後に緩慢に離された。吐息が濡れた皮膚に当たって、妙に気恥ずかしい。口と口をくっつけていただけなのに、なんて女の子みたいなことは言わないが、一体それだけのことにどれだけ没頭していただろう。腕がするりと離れ、柔らかなベッドに手を置いて体重をかける。
     勉強会という名目だった。元より学生の多い事務所では、勉強会がよく開かれている。C.FIRSTは専ら教え役だったが、S.E.Mなど加われば話は別だ。いつしか習慣と化したそれは、ユニットの中でも緩慢に続いている。事務所に行くだけの時間がない時。例えば定期テスト中―――下手に行けばつい勉強が手に付かなくなってしまう―――とかは、互いに課題を持ち寄って百々人は秀の、眉見は百々人の問題を見る。最初は二人が眉見に遠慮したものの、受験の準備になるからと押し切られる形になった。今日もそうなる予定だったが、秀が生徒会の仕事で欠席することを知ったのがつい一時間ほど前である。今日はやめておくかと聞こうとした百々人に、眉見が自分の家に来ないかと持ち掛けて今に至る。いつもは何かと都合の良い百々人の家だったのだが、一人で来るのは―――それこそ二人が付き合い始めてから来るのは初めてだった。
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