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    hariyama_jigoku

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    hariyama_jigoku

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    鍾タル。公i子が先i生を脱がせるだけの話。

    ##原神

    混ぜこぜになる ぎしりとベッドの軋む音。タルタリヤがヘッドボードに背を預けていると、鍾離がシーツの上に膝を沈ませた。覆い被さるように見下ろされ、タルタリヤの顔に影が落ちる。顎を掬い上げられ、下唇に喰らいつかれた。柔く歯を立てられて、温い感触が這う。
     くらくらと酩酊するような感覚に襲われて、鍾離の首元に抱きつくように腕を伸ばした。歯列をなぞられて、舌を吸われ、口腔を余すところなく暴かれて、ようやっと解放される。ふっと吐き出した呼吸は既に荒く、引き出された欲を表すように熱い。
     タルタリヤのスカーフがしゅるりと引き抜かれ、夜の気配が一段と濃さを増す。丁寧に畳まれていくのをぼんやりと眺めていたが、ふとこちらの服に手をかけようとする鍾離の腕を掴んだ。殆ど添えるような力だったものの、静止の意図を汲み取ったのかぴたりと指先は止まる。
    「先生、俺が脱がせてもいい?」
    「……構わないが」
     鍾離はタルタリヤの言葉を聞き、思案するように一度静止した。それでも目を細めて、頷きと共に了承を返される。
     ありがと、と笑顔を作り、鍾離の肩を押した。抵抗はなく、膝立ちの状態であった鍾離はシーツに腰を沈める。太腿の上に跨ると、腰を支えるように手を添えられた。先程とは反対に、タルタリヤが鍾離を見下ろしている。
     手を伸ばして、鍾離の髪を耳にかけた。窓から降る月光が、きらきらと石珀の目がゆらゆらと揺れる。
    「……ん、ねえ」
     不埒な手が裾から潜り込み、尻のあわいを探るように触れた。タルタリヤの制止にこれ以上の侵入は止まったものの、さり、と手袋越しに皮膚を撫でられて息を詰める。
    「どうした、公子殿」
    「悪戯するなんて悪い子だね」
     咎めるように睨んでも、どこ吹く風だ。鍾離の手は黙殺し、外套を留める釦を外していく。袖を引き抜かせると肩についた装甲同士がぶつかったのか、シーツに投げ出された拍子に金属音が鳴る。
     そのままベストに手をかけた。鍾離は基本的にはされるがままで、タルタリヤの手付きをどこか興味深そうに眺めている。服を脱いでいるところは何度も見たことがあるが、他人の服を脱がせるというのは中々難しいものだ。昔は妹弟たちの着替えを手伝ったりはしたものの、成人男性相手となると勝手が違う。
    「先生、腕通して」
     素直に従う腕から、ベストを引き抜いて適当に放り投げる。鍾離が軽くその先を目で追うのが分かったが、特に何も言われなかった。
     タイを解くついでに、強く引いて鍾離の顔を引き寄せる。
    「首が締まる」
     そう顔を顰められるが、堪えた様子はない。
    「ごめんね」
     素直に謝って、襟からタイを引き抜いた。晒された喉元に軽く口付けると、喉仏の隆起が僅かに動く。顔を上げると、色々勝手をしたからか随分と首元が寛げられていた。きっとタルタリヤが手を出していなければこうはならなかっただろう、そんな感想を抱く。
     綺麗な花を毟るように、手ずから乱しているのだと思うとふわふわとした高揚感すら湧いてきた。物語にあれやこれやと語られてはいても、清廉潔白を絵に描いたような元神である。そんな相手とこれからまぐわうというんだから、倒錯しない方がおかしい。
     罠にかけられたのは、確かにタルタリヤの方だ。それでもどこか鍾離に悪いことでも教えているような、そんな感覚が拭えない。
     鍾離の頬を、なぞるようにそっと触れる。この皮膚一枚剥がせば、自分とは全く違う人外の身だ。それだというのに、タルタリヤも悠長なものである。もう、危機感を抱くには遅すぎたのかもしれないが。
     シャツの釦も、上から下へと外していく。手慰みに襟元から覗く鎖骨にがぶりと噛みついた。鍾離は顔を顰めたものの、後頭部を軽く撫でられる。血が出る程ではないが、そこそこの力で噛みついたつもりだった。それをものともされないと、中々に挑戦心を擽られる。
     釦を外しきって、シャツを取り払うと鍛えられた身体が露わになる。タルタリヤはまだ、スカーフを奪われただけだ。いつもは一方的に剥かれるばかりだったが、対称的な状態にどこか現実感がない。
    「それで、公子殿は満足したか」
     鍾離が軽く上体を起こして、抱き寄せられる。見上げる目に、緩慢に首を横に振った。
    「全然。まだまだ足りないかな」
     中途半端に昂った熱のまま、がぶりと唇に噛みついた。
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    hariyama_jigoku

    DONE鋭百小説(鋭百々)。付き合ってていちゃついてる二人。互いの無意識の話。
    侵食 ちゅ、ちゅ、とリップ音が鼓膜を舐めるように繰り返される。くらくらと、その度に指先から全身に火が点っていくようだった。無意識に腰が引けるが、腰に回された腕が程よくそれを妨げている。
     眉見の肩に手を置くと、それを合図と思ったのか殊更ゆっくり唇が合わせられた後に緩慢に離された。吐息が濡れた皮膚に当たって、妙に気恥ずかしい。口と口をくっつけていただけなのに、なんて女の子みたいなことは言わないが、一体それだけのことにどれだけ没頭していただろう。腕がするりと離れ、柔らかなベッドに手を置いて体重をかける。
     勉強会という名目だった。元より学生の多い事務所では、勉強会がよく開かれている。C.FIRSTは専ら教え役だったが、S.E.Mなど加われば話は別だ。いつしか習慣と化したそれは、ユニットの中でも緩慢に続いている。事務所に行くだけの時間がない時。例えば定期テスト中―――下手に行けばつい勉強が手に付かなくなってしまう―――とかは、互いに課題を持ち寄って百々人は秀の、眉見は百々人の問題を見る。最初は二人が眉見に遠慮したものの、受験の準備になるからと押し切られる形になった。今日もそうなる予定だったが、秀が生徒会の仕事で欠席することを知ったのがつい一時間ほど前である。今日はやめておくかと聞こうとした百々人に、眉見が自分の家に来ないかと持ち掛けて今に至る。いつもは何かと都合の良い百々人の家だったのだが、一人で来るのは―――それこそ二人が付き合い始めてから来るのは初めてだった。
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