バチュルを吸うノイお兄さん 何の気なしに腰掛けた椅子の足元からパチパチと何かが弾ける音が響いた。思わず驚いて身体ごと視線を向けた先には掌サイズの黄色毛玉?がミャッと可愛らしく手を掲げてこちらを見上げていて。円らかなブルーの瞳に驚いた表情の自分が反射しているのが見える。
「びっ…くりした…君、野生の子か?」
掌を伸ばすと、さらに手を高く持ち上げてパチパチと静電気を纏い始めた。どうやら威嚇されているようだ。このまま彼に掌を伸ばし続けても触れることは叶わないだろう。
しかしここは公園のど真ん中。もしかしたら天敵の鳥ポケモンがいるかもしれないし、この子の為を思うなら近場の安全地帯まで運んでやった方が…いや、野生の子に無闇矢鱈に触れてしまってはこの子の為にならない。どうしたものか、そう思考を巡らせていると─
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