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    yksk_tny

    @yksk_tny
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    yksk_tny

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    pkmnパロでバチュルを吸うノイマンのお話。
    フォロワーさんのイラスト拝見させて頂いてふへ、ふへへ…となった突発作品です。

    #pkmnパロ
    pkmnParo

    バチュルを吸うノイお兄さん 何の気なしに腰掛けた椅子の足元からパチパチと何かが弾ける音が響いた。思わず驚いて身体ごと視線を向けた先には掌サイズの黄色毛玉?がミャッと可愛らしく手を掲げてこちらを見上げていて。円らかなブルーの瞳に驚いた表情の自分が反射しているのが見える。

    「びっ…くりした…君、野生の子か?」

    掌を伸ばすと、さらに手を高く持ち上げてパチパチと静電気を纏い始めた。どうやら威嚇されているようだ。このまま彼に掌を伸ばし続けても触れることは叶わないだろう。
    しかしここは公園のど真ん中。もしかしたら天敵の鳥ポケモンがいるかもしれないし、この子の為を思うなら近場の安全地帯まで運んでやった方が…いや、野生の子に無闇矢鱈に触れてしまってはこの子の為にならない。どうしたものか、そう思考を巡らせていると─

    バサバサと大きな羽音を立てながら、一羽のアオガラスが街頭のてっぺんに降り立った。妖しく光る真っ赤な視線は俺の掌の先へ向けられている。

    足元の静電気がさらに激しくなるのを感じながら、怯える彼に掌を差し出し、まあるい大きな瞳を見て出来るだけ優しく声を掛けた。

    「君を傷付けたりしないから。君が安心出来る場所まで連れていきたいだけなんだ…な?」

    この子に俺の言葉がどれほど伝わっているかは分からない。が、真摯に向き合ったお陰か、勇ましく掲げられていた小さな腕は静電気を静めてゆっくりと地面に伏せられた。掌に乗りやすいように指を地面にくっ付けて、じっと待っていると可愛らしい青い爪で俺の指先をツン、ツンと二、三度つついてゆっくりと近付いて来た。

    指先をもそもそと擽られる感覚に耐えながら、バチュルの体が完全に掌に乗ったのを確認して緩く包むように掌を丸める。一瞬だけピリリと静電気を感じたがすぐに収まったので、そのまま椅子から立ち上がってその場を後にする。
    街頭のてっぺんからの突き刺さるような視線を無視して近くの林の方へ向かう途中、時折掌の中からピリピリと弱い電気が走るので少しだけ足を速めた。

    「…この辺りなら大丈夫そうかな?」

    鬱蒼とした草木生い茂る林の入り口。バチュルに刺激を与えないように、ゆっくりと身を屈めていく。パチリと大きな瞳が不思議そうに掌の中から見上げて、小さい鳴き声を一つ。

    「うん?」

    威嚇とは違う、敵意なく持ち上げられた小さな爪先。何かを伝えたいのかパタパタと慌ただしく震える小さなもこもこの身体。必死な形相ではあるのに、それがもう可愛らしくてたまらなくて。

    そう、これは出来心だったんだ。決してやましい気持ちが元々あったとかではないんだ。


    ─ピャッッ


    ちょっぴり刺激的で癖になりそうな香り。

    衝動的に埋めた鼻先に走る電撃に視界が真っ白なり、たくさんの星がパチパチと舞う。俺の奇行に驚いて、掌から勢いよく飛び出していく黄色い毛玉を視界の端に捉えながら、未だ痺れの残る顔を片手で覆った。

    「ッ、アーマーガアにやる癖が…ご、ごめんな」

    届いているかはわからない言い訳と謝罪を述べ、最寄りのポケモンセンターへ向かう為によろよろと腰を持ち上げた。







    「んで、野生のバチュル吸いして痛い目にあったと。そういうのポケハラって言うんだぜ?」
    「ポケハラなんて初めて聞いたぞ」
    「だって俺が今考えたんだもん」
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