涼しくなる私「そろそろ髪でも切ろうかな…」
「え”っ”」
ひとりごとのように雑誌をめくりながら呟いた言葉。そんな私の言葉にこの世の終わりのような声を数馬は上げたかと思うと気が付くと私のすぐ近くに来ていて驚きのあまり私は息を吞み込んでしまう。
「ほんとか!?」
「……え?」
「だ、だから髪を切るって……」
「ああ、うん。最近ずっと長かったし気分転換にいいかなって…数馬は嫌なの?」
「い、嫌っつうか……いや、俺は嫌なのかも……」
ぶうつぶつと呟いて数馬は一つの結論を出す。
「自分勝手で悪いって思うんだけどさ…俺、ちゆきの髪をいじってるとき好きなんだよな。インスピレーションが湧くってのもそうだけど…俺だけが許された特権って感じがして」
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