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    ツ。(月灯)

    @tuki3rd

    ツ。のぽいぴく。月灯は以前使ってたHN。
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    ツ。(月灯)

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    エイ○アンズエ○アの辰写140+‪α‬字SS倉庫
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    #辰写
    #エイリアンズエリア
    aliensArea
    #SS

    ◆1.辰写で今日のお題は『嘘吐きの恋』です。

    最近自分がわからねぇ。相棒で、運命共同体だと言ってくれた写楽を見てると腹の辺りがムズムズする。コンビだから共に事件に向かえば、集中していればやりすごせるのに書類を渡す時に触れた手だとか俺の弁当をつまみ食いにきた期待に満ちた笑顔とか。なんでもねぇことだと必死に言い聞かせていた。


    嘘をつくのは主義ではないね。言わないこともあるし流し方も心得ている。必要なら言えない訳では無いけれど、これは必要なのか不要なのか判断が難しい。相棒の真っ直ぐな目と熱情に返す応えに嘘を混ぜていいのか混ぜた方がいいのか、こんな難題は久しぶりで少し心が踊ったことは黙っておこう。

    ◆2.辰写で今日のお題は『またあとで』です。

    ポケットの中でスマホが鳴った。なにもこんな時に。
    こんな───初めて写楽と、キスをしようとした時に。
    抗えないのが社会人だ。因みに鳴ったスマホは写楽の物。当然のように呼び出しに応える唇を未練がましく眺めていた、ら。音のない声で『またあとで』と聞こえたのは勘違いでは無いと思いたかった。

    ◆3.辰写で今日のお題は『きっとそれが正解だった』です。

    「写楽、ありがとな」
    相棒の急な感謝に軽く目を見張る。
    「遅くなったけど…やっと気付いた。あの時、オマエは記憶を消すか外5に所属するかの2択をくれたけど​──」
    現在判明している、数少ない物質持ちだ。記憶消失を選んでいたらモルモットにされていてもおかしくはなかった。外5に所属することで写楽が守ってくれたのだと気付けたのはほんの最近のことだ。
    「俺、外5を選んで良かった……そんで、オマエに選んでもらって良かったって」
    心からの感謝を込めて告げてくる相棒に。
    「…僕も、キミを選んで良かったよ」
    誰も聞いたことがないような、優しい声が辰己にだけ聞こえるように囁かれた。

    ◆4.辰写で今日のお題は『捨てたはずの想い』です。

    なんでだよ。俺は諦めたはずなんだ。大事な相棒だから、幸と太郎が大切だから。だから捨てたはずなのに。

    「捨てるくらいなら僕にくれないか」

    俺の想いをあっさりと救いあげた写楽は、ソレに向かってキスをひとつ落として笑った。

    ◆5.辰写で今日のお題は『二人だけの秘密』です。

    秘密を保つことは難しい。こと辰己においてはポーカーフェイスがまるで成っていない。
    「その顔、恋人でもできたか」をそれぞれの言葉であらゆる人達から向けられる。肝心のお相手は完璧なポーカーフェイスどころか狼狽える辰己を楽しげに眺めている。
    「秘密です!」
    それはYESと同義語だと笑われたことは他の誰も知らない、2人の秘密。

    ◆6.辰写で今日のお題は『全ては闇の中』です。

    「お前何か知ってんだろ」
    相棒の質問にとぼけてみせる。キミが知っても面白いことなんてないよ。
    「ガキ扱いすんな」
    怒気さえ孕んだ声色に、ゾクリと快感にも似た何かが這いずり回る。
    それでも、ね。
    キミに知って欲しくないこともあるのだよ。どうやって誤魔化すか、闇の淵を見ながら考えている。

    ◆7.辰写で今日のお題は『青い鳥はそこにいた』です。

    急に取り残された3人で、ただ必死に生きてきた。この世界には誰も入らなかったし入れなかった。
    ただ、そんな俺らを見て、微笑んで、ゆっくりとコートを翻す。空の青が混ざって青い鳥とはこんな姿をしていたのかと思った。捕まえた鳥はやはり笑いながら俺らの中にするりと溶け込んだ。

    ◆8.辰写で今日のお題は『素直になれない』です。

    素直なことは美徳だと思っている。己の感情に素直な相棒兼恋人を見ていると特にそう思うね。自分のことを特別ひねくれているとは思わないが君ほどの純粋さもない。
    柄では無いけど君を見習って素直になってみようか。
    だが焦るその姿をもう少し見ていたいとも思う僕はやはり素直でも純粋でも無いようだ。

    ◆9.辰写で今日のお題は『ハグ ミー!』です

    完全に動きの止まった、出来たての恋人を見る。頭から湯気が出そうなほど真っ赤になって硬直してる。あの言葉がよくなかったか。
    「抱いてってハグの事だよ」
    自分から手を伸ばして抱きつけばようやく動いた恋人がぎこちなく抱きしめてくれた。
    これはソコに至るまで大変そうだなんて口の中で呟いた。

    ◆10.辰写で今日のお題は『世界の片隅で愛を叫ぼう』です。

    君が愛を叫ぶなら世界の片隅は似合わないね。
    写楽の呟きに首を傾げる。
    叫ぶ事では無いと思うし必要な人に届けばそれで。
    写楽に伝わってるならそれで良いと、先程の写楽の呟きよりも小さな声が口から溢れる。もちろんそれを聞き逃す写楽では無かったので真っ赤になっている恋人を満足気に眺めていた。

    ◆11.辰写で今日のお題は『二人でいられたらそれで良かった』です。

    2人でいたいと思ったことが無いと言えばそれは嘘だ。大事なもんは幾つもある。幸と太郎、慣れてきた職場と先輩たち。馴染んできた右手も今は大事だと言える。
    でも、いつか、この先に。2人でいられて良かったと伝えたい。
    俺を大事にしてくれたお前に。
    大事にしていきたいお前に。
    いつか。必ず。

    ◆12.辰写で今日のお題は『口の中が甘い』です。

    糖分は脳の疲れに効くよと、書類仕事に四苦八苦する相棒に甘い甘い珈琲を差し入れた。涙目になりそうなしかめっ面で少し面白い。恨みがましい視線は止めてくれないか。お詫びにその甘さを拭いとってみたら更に恨みがましい視線が。早く書類を終わらせてくれたまえよ。責任をとるのは吝かではないからね。

    ◆13.辰写で今日のお題は『手を伸ばした結果』です。

    手を伸ばすことを覚えた。伸ばし方を教えてもらったことに感謝している。
    家族を守りたかった。その手段を得た。
    この伸ばした手の中にお前も入っていることを、いつか伝えたい。

    ◆14.辰写で今日のお題は『手を繋いでもいいですか』です。

    今日はとても寒い日だった。だからチャンスだと思ったんだ。だけどお前の手はずっとコートのポケットに隠されたままでタイミングが掴めない。でも諦めることもできない。
    「手、繋いでもいいか」
    顔が熱い。いつもの悪戯な笑い顔と差し出された手にどこか安心しながら…気付かれてたなと思い知った。

    ◆15.辰写で今日のお題は『ファーストキスは煙草の味』です。

    初めてキスをした。レモン味なんて期待しちゃいなかったが予想外の味に思考が止まる。これ、は…煙草、の、匂い…?写楽が吸うところなんて見た事ねぇし聞いたこともない。思いつく限りの喫煙者の顔が脳裏を流れる。どうしたんだいなんて聞かないでくれ。あってほしくない幻覚に何かが焼き切れそうだ。

    初めてのキスを交わした恋人が挙動不審だ。赤くなったり青くなったり、泣きそうな顔を見せたり怒りを抑える表情をしたりと忙しい。見てる分にはちょっと面白いけど事後の態度としてはいかがなものか。理由を問うてみれば長く躊躇ったあとに一言だけ「…煙草」と告げられた。
    そりゃあ一時間も喫煙所にいたら匂いも着くよねと返せば、しゃがみ込んだ恋人は心底安心したという顔を見せた。まさかの疑いに少し意趣返しをしても許されるよね?

    ◆16.辰写で今日のお題は『デートしませんか』です。

    デートに誘われた。プランを尋ねてみれば待ち合わせて映画と食事。ただし映画は世にも名高きヒーローパンで食事はファミレス。うん、知ってたよ。幼子を置いて二人ではでかけられないね。まあそんなデートも有りかなと思う。二人きりのデートは捜査の時に行うとしよう。

    ◆17.辰写で今日のお題は『たった2文字が言えなくて』です。

    好きだと告げてくれる君が好きだ。でもねたまには僕にも言わせてくれないものかな。いつも君が先に言うから、僕は僕もとしか返せない。それだけが少し不満なんだ。贅沢な悩みだと分かってはいるけど心の中が弾ける前に少しは吐き出させておくれ。

    ◆18.辰写で今日のお題は『君が欲しくて』です。

    初めは同族意識だったのだよ。もちろん物質を埋め込まれた同士というね。それだけだったはずなのに君を知れば知るほど欲しくなった。真っ直ぐな心根が輝いて僕の脳裏を焼いていく。まるで頭の中にあるはずの物質に直接触れられたかのようだ。
    君が欲しくて囲いこんでしまったかもしれない。ごめんよ。

    ◆19.辰写で今日のお題は『全ては君の思うがままに』です。

    お前が轢いた道を歩かされている気分になる。自分で決めたはずの道でさえ準備されていたような。それは俺が未熟者だってことなんだろう。お前の重荷を少しでも背負えるようになりたい。
    そしてそれとは別に。お前のことを想うこの気持ちは自分自身で決めたはずなのに。
    全てお前の思うがままな気がするのはなんでなんだろうな?

    20.辰写で今日のお題は『酷いくらいに優しい人』です。

    君のことを優しい人間だと思う。優しいから生物を守ることに戸惑いがない。優しいから……僕に捕まってしまったんだよ。馬鹿だねぇ逃げる機会はいくらでもあったと言うのに。その優しさを嬉しく思うよ。狡い大人に捕まってくれて感謝するよ。捕らえた者の義務と権利を使い倒して君と共にいよう。

    なんだかんだ言っても写楽は優しいと思う。家族を抱えて路頭に迷うところを、実験体となってしまうところを救ってくれた。冷静沈着であっても決して冷たくなんかない。
    そんなところも惹かれた一因だと言ったらお前はどんな顔をすんのかな。今夜あたり言ってみるか。反応が楽しみだ。

    21.辰写で今日のお題は『明日は何をしようか』です。

    明日という未来を望むことは少なかった。単調でも退屈でもないが生きていれば今の日々が続くことに疑問を持ったことは無かったね。ところが君を手にいれたあの時から明日が楽しみで仕方がない。日々成長する君も変わらず困惑する君も中々に見応えがある。ああ、楽しみで仕方がない。明日は君と何をしようかな?

    22.

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    dandyhamaki

    MAIKINGべったーに投げてたやつ。荘園ENN組の馴れ初めというか知り合うアレソレ途中まで。
    最終的に初セッセするまで書こうとしてたと思う。
    初期に描いた落書き漫画とかの要素が所々ある
    「さわって」



    不意に発せられた言葉は実に小さく、しかし彼の声の低さからかしっかりと私の耳に届いた。


    −−−−−−−−−



    彼が、ノートン・キャンベルが荘園にやって来て何度か試合をやり過ごして来た頃だったろうか。
    試合の際の諸連絡以外では、彼から話しかけられたのは初めてだった気がする。


    「その眼は過去も覗けるんですか?」

    と。
    その時私はどう返したんだったか。

    この荘園に来る前は『彼ら』から告げられた予言に対し、興味を抱く者は少なくなかった。
    しかし私はそれ以上もそれ以下も話してはならなかったし、どちらにせよその好奇心が猜疑心になり、段々と罵りに変わる事が大抵で………ああ、そうだ。確かこう言ったのだ。

    「もし見えたとしたらそれは必要になる事なんだと思うよ。」

    と。

    −−−−−−−−−


    気のせいか、それから彼を、ノートンを何度か試合以外で見かける様になった気がする。
    彼は率先して試合に出ている気もする。
    彼が誰かと話すのをよく見る気もする。
    彼と試合が同じになる事が増えた気もする。

    今となってはアレは気のせいではなかったのだろう。


    「何か居るんですか? 4501