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    ツ。(月灯)

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    じゃんけっとばんく、れめししです
    Webオンリーに合わせて書きかけを供養
    オチどうするつもりだったのか全然思い出せない…

    #れめしし

    コ〇ダデートは2人で「あー無理。もう無理」

    そう宣う叶の前には卵のピザトーストとハンバーガー、さらにデザートと大きなグラスの中で揺蕩うコーラが鎮座していた。

    「だから止めとけって言ったろ」

    二人が訪れた店はそもそもの基本値がおかしいと終始話題になっている店だ。なにもかもが巨大サイズで成人男性でも食べきれない人が少なくないという。ネットでは何も知らない、初めてその店に行く人へと多くの忠告。それと相反するようにオススメメニューを紹介し煽る者も多数だ。
    期間限定の新メニューのために連れ出された獅子神敬一はストリーマー兼恋人の叶黎明の前に積み上がる食品をうんざりした顔で眺めながらコーヒーを口へと運んだ。

    そもそも配信のネタのためにとここへ連れてきたのは叶である。ストイックに身体を鍛えている獅子神一人ならば絶対に来ない店だ。

    「ほんっと、むり……」

    もはや泣き声のように呟かれたそれに獅子神は溜息を一つ。
    それでも怒りが沸かないのは、獅子神が食べ物を粗末にする行為を絶対に許さないと知っている叶が必死に歩み寄っているからだ。何度も休憩を挟みながら食べ続けている。
    獅子神と出会う前の叶であればそんな事はしなかった。悪いなと思う気持ちが無いでは無かったが(食べきれないんだし仕方ないじゃん)と残したまま店を去るのが当たり前だったのだ。
    だが、久々にやらかした。なんの根拠もないがイけると思ってしまったのだ。限界を迎えた叶は建設的な意見で獅子神を説得しようと試みることにした。

    「敬一くん、これ残し……ません。なんとかします」

    まあそうだろうなと言うべき結果の冷たい視線。
    次の手は同行者である獅子神に食べてもらうことになるがこれも聞く前からダメだろうとわかってしまう。普段から食事内容に気を使い、友人がどんなに暴飲暴食をしていようとサラダと鶏ハムなんてメニューを貪る男だ。少しくらいは譲歩してくれるだろうがこの量は絶対に断られる。

    これは、本当は、本当に、嫌なんだけど。

    最後の手段に出るしかない。獅子神に嫌われるよりはるかにマシなので。

    「ユミピコか礼二くん呼ぼう…」

    友人の中でも健啖家と言う生ぬるい表現に収まらない二人。どちらか一人でも呼べればこれらを食い尽くした上でさらにもっと多くの注文をするだろう。
    仕方なくスマホを操作する叶の視界に大きな傷を持つ手のひらが割り込んできた。

    向かいあって座っている男は不機嫌ですと顔に書いてあるような表情でそっぽを向いていた。
    艶やかな白い肌。透けるように煌めく金髪。耳の先が赤くなっていることを自覚しているのだろうか、視線は遠くを見ていた。

    ずるい​───そんな全身で、せっかく二人きりなのにと言われたらどうしようもないじゃないか。

    叶は少しだけ無骨な男の手を強く握ると横へとスライドさせスマホをしまった。

    だが目の前にはどうにもならない現実が待ち構えている。ケチャップに卵、マヨネーズ、ドミグラスソースが手招きしている。量も多ければ味も濃い。もう一度、現実を見て突っ伏した叶は顔をあげることが出来なかった。

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