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    mk_tawasi

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    mk_tawasi

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    クリスマス蘭はる♀。
    あと数時間でクリスマス終わるとかシラネ。オフィスパロだからね、反i社じゃないよ!ゲロ甘いよ!

    お家デート年末年始も近くさらに月末。社内が慌ただしくて総務部では各部署からの在庫報告が遅れている事で残業を余儀なくされてヨレたシャツの襟を緩めながらマンションのエントランスから入り、エレベーターのボタンを押した。

    一緒に残業した竜胆も死んだ顔をしてたけど無事に帰れただろうか。明日は休みだからゆっくり寝て欲しい。というかさっさとぐちゃぐちゃの化粧落として寝てぇわ。
    無意識に連続で出る溜め息の後に深く深呼吸して止まったエレベーターから歩き部屋の鍵を開けようとした所にガチャッと音がして独りでに開き始める。
    強盗か不審者か?肩から掛けたカバンを握る手に力が入る。出てきた奴に蹴りを食らわせようと膝を上げると開いた扉から出た腕に膝頭を止められ、見覚えのある袖のカフスに顔を上げた。

    「蘭…?何で居るんだよ、人事は定時で上がってただろうが」
    「まぁいいじゃん。寒ィんだからさっさと入れよなー」

    腕を引かれて我が家に入ると狭いリビングの小さいテーブルに並ぶ料理とシャンパン。料理が出来ねぇ蘭が作ったとは思えなくてチラッと見えたキッチンにはデリバリーのゴミの数々。
    まぁ疲れてる体には美味い飯だろうと促されるままにテーブルの前に座って並んだ料理を隣に座った蘭と一緒に食べ進めた。マスカルポーネと生ハムのカナッペ、水菜とパプリカのサラダ、コンソメスープ、ローストビーフバジルソース、ラザニア、ショートケーキ、オレンジシャーベット……。

    「いや、二人なのに量多すぎだろ。美味いけどよ!」
    「いいじゃーん、オレが色々食いたいの注文したらこんな感じになったし」
    「余ったら明日もこれ食うだろ…ったく、サラダとローストビーフはサンドイッチに出来るけど。っつーかこれだけあるなら竜胆も呼べばよかったのに」
    「あー………アイツはまた今度な」

    文句ばっかり言っても料理は蘭が選んだだけあってめちゃくちゃ美味い。特にショートケーキは疲れた体に糖分がキくっていうのがよく分かるくらいに美味かった。
    腹いっぱいで動けなくなった後にも蘭は簡単に片付けをしてくれて、抱えられて風呂場に連れて行かれた。てっきり一緒に入るのかと身構えたがほのかに香るローズの泡風呂に一人で入らされる。

    「……何考えてんだァ?」

    アイツが甘いのは竜胆も珍しいと言うくらいだから知ってるが、ここまで甲斐甲斐しいのは初めてで困惑する。
    そういえば…この間社食でケバいメイクの女共が浮気した彼氏が飯やらプレゼントやらで機嫌をとって別れるのを回避して来てウザかった。と大声で笑っていたのを思い出した。

    蘭に限って…浮気したのか?いや、でもあれだけモテる男だ。社内では高嶺の花やらアイドル扱いだから大丈夫だろうが外だと分からねぇ。
    美味い飯の後で気持ちいいバスタイムのはずなのに嫌な妄想ばかりが頭をよぎる。

    「〜〜〜っだぁあ!もう埒あかねぇ!」

    折角シャンプーとトリートメントした髪を振り乱して暗い感情を飛ばし風呂から上がる。部屋着を着て出ればタイミング良く待ち構えていた蘭に捕まって足の間に座らされて丁寧にドライヤーとヘアオイルでケアをされた。
    マジで浮気したからご機嫌取りか…?単に気まぐれ蘭ちゃんデーか?
    疑って混乱して変な顔をしていただろう、頬をつつかれてハッとすると既にドライヤーやらを片付けていたらしく脇の下から抱えられて膝に乗る形で抱き締められた。

    「は?いや、マジでどうし…」

    ピッ、と軽い電子音で部屋の証明が消えて部屋中に小さい無数の光が広がった。

    「プラネタリウム……?なんで?」
    「え…いや、春千夜がクリスマスはプラネタリウム見に行きたいって言ってただろ?でも総務部残業コースだったし疲れてそうだから」

    慌てて作戦変更して用意したのに全然喜んでねぇだろ。とぐにぐにと片手で顎を包むように両頬を掴まれて自然と唇が尖る。
    …………すっかり忘れてた、数日前まではクリスマスプレゼント何にするかって悩んでたのに。
    懸念してた浮気じゃなく安心したのも束の間だったが今度はプレゼントを用意していない事にこっちが気まずくなる。恐る恐る振り返るが暗い中で此方を見つめる蘭と視線を合わせられねぇ。


    「あー……その…クリスマスプレゼント…用意してねぇ、から…明日出先で何か買うわ」
    「あぁ、プレゼントは春千夜でいいよ、これ着てくれりゃオレへのプレゼント完了」

    ボソボソと喋りにくい口のまま漏らせば膝の上に乗せられた無地のレジ袋。嫌な予感がしたがケツの下に感じ始めた硬い感触を無視して袋から中身を取り出して広げた。
    暗くても分かるそれは赤い布地に白い縁どりで一目見てもサンタクロースの衣装。
    でも明らかに、明らかに布面積がすくねぇしスケスケ!

    「ふざっけんな!誰がこんなモン着るかよ離せエロ魔人!」
    「っと、あぶねーな春ちゃーん♡一人でお着替え出来ねぇならオレが着せてやるからなぁ♡」

    ベビードールと云われる衣装と呼べない下着に一気に頭に熱が集まって密着してゴリゴリと押し付けられる股間も相まって腕を振り回したが、簡単に押さえつけられて部屋着の裾から入り込む手に騒ぐのを止められなかった。




    その後は家庭用プラネタリウムを見る余裕なんかなかった、とだけ。
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