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    dps94kakuriyo

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    クラノス、サテヨモ、フククワのネタ帳からSS化したものをここにあげたり、文庫の作業場だったり。他にもいろいろ。

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    ヨモの自宅で謎の思いつきプレイをする2人。ただのイチャイチャです。サテヨモはお互い耳が弱い。はっきりわかんだね。

    #サテヨモ
    iwomo

    そこに耳があるので・2「俺様はもう寝る」
    「あ、はい! おやすみなさい」
     随分と物分かりのいい返答に、自分で言っておきながら二の句が継げなかった。彼が非番で、こちらもそれに合わせ……いや、カズラ君がうるさいから取った休みだ。つまり今日は彼にとって『何もしない日』というわけだな。
    「えっ、ヨモツザカさん……?」
     腕立て伏せ中の彼の背中にうつ伏せで張り付いた。うむ、硬い。揺れる。寝心地が最悪。
    「わわっ、あ、危ないですからっ!」
    「君なら軽いものだろう」
     普通に動けてるじゃないか、全く。
    「……うう、あの、…………くなるんで」
    「は? 聞こえん」
    「したくなるんで!!」
    「いいぞ」
     動きがピタリと止まった。微動だにしない代わりに筋トレで上がっていた心拍数が更に急上昇している。分かりやす過ぎて何となく楽しくなってきた。
    「…………あの」
    「ん?」
    「二徹って、聞いたんですけど」
    「確かにその通りだが、神経が昂って逆に寝付けん」
     サテツ君のような健康優良児にはわからんだろうな。俺様だって、二十代の頃は所謂『疲れマラ』もあったんだぞ。
    「だから……君が眠らせてくれ」
     真っ赤に染まった耳に、わざと意味深に囁いてやる。いつもの仕返しでそのまま耳朶を舐めると、彼は「うひっ」などと情けない声を上げて反射的に頸を反らせた。ああ、汗の味がする。代謝の良い彼の汗はいつもサラリとしてベタベタしない。こういう所も小癪だ。
    「俺、耳弱いんですぅ……うう、すいません」
     伏せの状態に体を降ろしたと思ったら、自分の耳を手で隠すときた。はぁ〜〜? 俺様の耳はワンちゅ〜るのCMみたいにベロベロと舐めまくるクセになんだその言い草は。
    「……このまま匍匐前進でベッドまで移動しろ」
     太い首に腕を回してしがみついてやった。彼が思わず「えっ?」と動揺の声を上げたが、無視だ無視。異論は認めんぞこのワンちゅ〜る大好き大型犬め。

     今居るリビングの端っこからベッドまで、直線距離ならそこまで無いがローテーブルを迂回するとそこそこ有る。さぁ、無事辿り着けるか。
     まだ仮面をつけたままだから、ずり上がって彼の顔の横から前方を見る。上半身だけならおんぶのような姿勢だ。彼の背中に密着してるせいか風呂上がりのせいか、俺様も若干汗ばんできた。
    「おっ」
     徐に彼の体が前進を開始した。うむ、ここからの視界はなかなか面白いな。無くしたと思っていたボールペンがソファーの下に転がっているのも丸見えだ。後で拾おう。
    「振り落とすなよ?」
    「……じゃあ、ちゃんと掴まってて……くださいっ」
     ズリ、ズリ。ローテーブルの角も上手く曲がったな。腰を少し浮かせて、膝と肘をフル活用して床への接触を避けようとしているのか? ふん、小賢しい。
    「……背中が熱い」
    「え、あ……ご、ごめんなさい……?」
    「いや、気持ち良いから構わん」
     はい心拍数上がった。雑魚い。
     降りればいいという話だが、彼はきっとそこまで頭が働かんだろうな。まぁ、揺れるたび僅かに気持ち良い感覚があるのは認める。俺様はそれを最大限利用させてもらう。
     回した腕にわざと力を込めて、前進を続ける彼の『弱い』耳元で、ため息混じりに起爆剤を投げてやる。
    「君が動くたびに、さっきから、肩甲骨が胸に当たる」
     ——彼の尻が僅かに震えた。ヨシ。
    「……ま、マジですか?」
    「マジだ」
     彼の隆起した立派な筋肉と骨が、俺様の貧相な胸やら肋骨やらをグリグリと押してくるのは事実だ。それが時折性感帯にヒットするものだから、気持ち良さが漣のように寄せては引いていく。
     大体、匍匐前進にも種類があるのに一番下腹部に刺激のくるスタイルを選んだ君が悪い。ああ可哀想に、もはや彼の心拍数はセックス時のそれに近くなっている。
    「……お、降り、ますか?」
     降りたら意味がないだろ愚物。
    「このまま行け、早く」
     しがみついたまま、出来るだけ早く行けと強請る。きっと俺様の心拍数も彼に伝わってるだろうな。相乗効果でちょうど良い。僅かな膨張で床に触れてしまうだろう君の股間が、ベッドに上がる頃にはどうなっているか、ちょっとした見ものだ。

     ベッドまであと1メートル、といったところで彼がピタリと止まった。なんだ、もう限界か?
    「どうした?」
    「……ブ、ブランケット。掛けます……よね?」
    「——そうだな」
     そうだった。
     ソファーの上の犬用ベッドに寝かせたフラスコ。俺様としたことが、いつものことを失念していた。
     背中から降りて、畳んであったブランケットをそっとコロに掛けた。フラスコが少しだけ揺れて、砂がサラリと音を鳴らす。
    「ああ、おやすみ」
     ひと撫でしてから後ろを振り向くと、サテツ君は伏せの体勢のまま赤ら顔でこちらを見上げていた。どこまで従順なんだ、君は。
    「……キヒヒ」
    「?」
     変な姿勢でしがみついていたから、少し体が痛い。軋む節々を叱咤してそのままベッドの縁に腰を下ろすと、仮面を取って両腕を広げて見せた。
    「ここがゴールだ、サテツ君」
     来い、という前に大型犬が飛びついてきたものだから、俺様は勢いが過ぎるほどベッドに沈み込んだ。彼の股間は思った通りアレがアレしていて非常に愉快だった。張り詰めて痛いだろうが、押しつけられてるこちらも痛い。
    「あの、よく眠れるように、や、優しく……します」
    「君の股間がすでに優しくないんだが、まぁいい」
     期待している。と、耳元で囁いて再び耳朶を舐め上げれば「ヒャッ!」と甲高い声を上げて涙目になるのが面白すぎて、彼に口封じのキスをされるまでずっと笑い転げていた。

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