けんやくん誕生日おめでとう忍足謙也くん。誰にでも愛される君は。青空に燦々と輝く太陽であり、夜空にキラキラと光る一等星でもある。そんな君を、僕は愛おしく思います。しかしながら、それは僕だけではないようで。三月十七日。君が産まれた、輝かしく喜ばしい日に。君は、僕の隣にいません。そうです。君の、誕生日。そわそわしながら準備を進めていた僕に、君は全く気付く事はありませんでしたね。そればかりか、意気揚々と。俺を放って、君は……。大学のサークルの飲み会に、行ってしまいましたね
「白石部長。ちょお、飲み過ぎちゃいます?何すか、そのポエムのような気持ちの悪い愚痴は」
生ビールのジョッキを片手に。グダグダとくだを巻き、ここにはいない謙也へ。そう、不満を零す白石に…。財前は顔を顰めながら、一つ。溜め息を漏らすのだ。何でも。来るべき謙也のサプライズ誕生日祝いの為、綿密に準備を行っていた白石は。準備に熱中するあまり、謙也の予定等について全く考えていなかったらしく。誕生日当日になって、そわそわしながら予定を聞けば…。
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