アイドル蔵謙バレンタインチョコレートCM後妄想蔵謙チョコレートCM妄想
謙「バレンタイン楽しみやなぁ〜」
蔵「そんな、バレンタインを楽しみにしてるケンヤくんに朗報やで」
謙「えっ!?何!?」
蔵「もう既に一つはチョコ、貰えるの確定してます〜!」
謙「ホンマに〜!?えっ、誰からやろ!?○○ちゃんかな!?あの子、なんか俺を見る視線が熱烈やっ」
蔵「ほい。俺からのハッピーバレンタインや♡」
謙「お前からか〜〜〜い!!!」
蔵・謙「チョコレートは、明○!」
蔵「俺からのチョコ、嬉しい?」
謙「普通」
「はい、カット!」
そう、監督の声が聞こえ。白石と謙也はゆっくりとステージ上から捌けていく。
「じゃあ、これで本日の撮影は終了です!お疲れ様でした!」
「お疲れ様でした」
「お疲れ様でした〜!」
監督の労いの言葉に。白石と謙也は笑顔でそう返事を返すと…。二人揃って、仲良くスタジオを後にする。謙也の手には、先程のCM撮影で使用したチョコレートが握られており。マネージャーが既に待機している車に乗り込むと、謙也は早速そのチョコレートの封を開けるのだ。
「何や、ケンヤ。それ、俺からのバレンタインチョコレートやん。もう食うの?」
「おん。腹減ったから」
「確かに、もう昼やもんなぁ」
白石の、『俺からのバレンタインチョコレート』という言葉は華麗にスルーして。謙也は袋の中から一つ、丸い形をしたチョコレートを取り出すと。ポイッと軽快に、口の中へと放り込む。すると、じんわり口の中に広がる、少しほろ苦いチョコレートの甘さが、空腹だった腹を満たしていくようで…。謙也は嬉しそうに声を上げるのだ。
「美味い!ちょっとビター味になってる!」
「えっ?美味い?何や、良かったわぁ。一生懸命選んだかいがあるなぁ」
「いや、その設定いつまで引きずんねん」
「ケンヤが反応してくれるまでや」
「鬱陶しいなぁ」
先程スルーされたにも関わらず、再度CMの設定を口にし続ける白石に。謙也は呆れたようにそう呟くと、袋の中へと視線を戻す。そして、もう一つ。チョコレートを口へと放り込もうとした、その時であった。
「あっ」
突如、謙也の口からそんな声が漏れ出たので…。隣に座る白石が、不思議そうに謙也へと顔を向けるのだ。
「どないしたん?」
「ええもん見つけた」
白石の問いに。謙也はニッと笑みを浮かべると、ガサゴソと袋の中に手を突っ込む。そうして、チョコレートをまた一つ取り出した謙也は。未だ不思議そうな顔をしている白石の顔の前へ…。そのチョコレートを、見せつけるのだ。
「俺からも、お前にハッピーバレンタインチョコレートや!」
そう、言って。謙也の指の間に挟まれているチョコレートは。先程、謙也が食べた丸い形のチョコレート……、ではなく。
「ハート型や…」
「おう!確かこれ、全部に入ってる訳ちゃうかった気ぃするで…。あ!やっぱり!このハートチョコが入ってたら……、恋の願いが叶うかもって書いてある!やったな、白石!」
どうやら、ランダムで入っているらしいハートのチョコレートに。謙也は、嬉しそうに笑いながら、箱の裏面の説明文を読んでいる。そんな謙也を見て…。白石は思わず顔をフッと緩ませると、ゆっくりと口を開くのだ。
「ほな、謙也からのバレンタインチョコレート。ありがたくいただくわ」
「貴重やからな。味わって食えよ」
そう笑う、白石の言葉に。謙也も得意げに笑うと、白石の口へとハートのチョコレートを放り投げる。瞬間、口の中に広がる、甘くて少しほろ苦いチョコレートの味に…
「あ〜〜〜。これが、恋の味かぁ〜〜」
なんて。思わず、そんな声が漏れ出てしまうので。
「おっ?なんやなんや?お前も分かってきたか?せやでぇ。これが、恋の味やでぇ〜」
そう、隣から。謙也が楽しそうに、バシバシと白石の背中を叩くのであった。