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    FineRisoluto

    @FineRisoluto

    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
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    !FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!
    FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
    大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
    フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。

    #FF14

    ある「元」光の戦士の6.01その13 ふわり、とシナモンの香りが漂う。そのなかに混ざる香ばしさはメープルシュガーだろうか。もちろん酸味を含んだフェアリーアップルも感じられる。
    「わぁ~っ」
     満面の笑みのリーンがかわいい。フィーネはよそ見しすぎてうっかり火傷した。
    「どうしたんですか?」
     顔をゆがめたのを気づかれるが、フィーネは強がった。
    「なんでもないよっさあ、食べようか」
     ナイフを取ったフィーネだが、リーンに奪われる。
    「わたし切り分けますね」
    「え」
    「あぶないから……」
    「もうアクロバットしないから」
     しばし、笑顔でナイフをつかむ二人が見つめ合う。
    「大丈夫です」
    「リーン。よくないと思うな」
    「ちょっと何言ってるかわからないです」
    「一体誰に似たんだい、その強情さは」
    「諦めない心はみなさんから教わりまし……あっ」
     フィーネがイルーシブジャンプで飛び退いて、その手にはナイフが握られている。一瞬の隙をついたのだ。
    「そういう動きがあぶないって言ってるのに」
    「ふふ、まだ甘いねリーン」
     反対の手でアップルタルトを乗せた皿を引き寄せようとしたが、あるべき皿がそこにない。
    「予測していたので移動させておきました」
     その声に振り向いた時にはリーンがアップルタルトを切り分け終わっていた。
    「あれ、そのナイフっていつも使っているやつだよね」
    「そうですよ~」
     つまり戦闘用じゃないか。大丈夫かそれ。
    「洗ってありますから」
     リーンがたくましくなりすぎている気がする。サバイバル術でも教えたのかサンクレッドは。
     結局大半のタルトはリーンに切り分けられたが、フィーネはこっそり自分の分は調理用のナイフで切り分けて確保しておいた。
     それと、小さく切り分けた『美しい枝』の分も用意する。
    「ありがとうございます、闇の戦士様」
     リーンからタルトを受け取った職人が手を振ってくる。リーンにお礼を言えば良いのに。
    「ありがとうございます闇の戦士様~」
    「あのね」
     あまりにみんながこっちを向くのでさすがにどうかと思った。
    「リーンと一緒に作ったから、リーンにもお礼言ってね」
     あ、と一瞬空気が凍る。
     フィーネはぐい、とほおずりするかと言うくらいにリーンを引き寄せる。
    「ミーン工芸館の期待の新人美人のフィーネと~」
     ちら、とリーンに目を移す。
    「かわいいリーンをよろしくね」
     一瞬、間が空く。
    「ははは、良いじゃないかふたりとも看板になっておくれよ」
     カットリスが大らかに笑い出し、つられてみんなが笑い出す。
    「あれ、わたしも」
     巻き込まれたリーンが驚きの声をあげる。
    「たまに手伝ってよ」
    「じ、時間があるときなら……ですよ」
     リーンはうろたえている。
     その後、ミーン工芸館の職人たちが負けていられないと特製の料理を振る舞いはじめ、やがて宴会が始まった。
     日が傾き始めたころ、リーンは喧騒から離れるように立ち去るフィーネの姿に気づく。声をかけようとしたが職人たちに囲まれて阻まれる。次に目を向けた時には、彼女の姿は消えていた。
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    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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