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    FineRisoluto

    @FineRisoluto

    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
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    ・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。

    ある「元」光の戦士の6.03その6 きゅりきゅりきゅり。紅玉海の水面は静かに揺れ、リールをゆっくりと巻く音だけが軽快に鳴り響く。
    「あっ、引いているわよ」
    「ほいほい」
     黒い鱗のある手が竿を引き、海水の飛沫をまきながら獲物が釣り上げられる。
    「サンゴノオトシゴ。食べれないからリリースだね」
     釣りあげたアウラ、フィーネは静かにサンゴノオトシゴを海へと返す。
    「そもそも、このあたりの魚は食べられるのかしら?」
     傍らの石の塀に座って眺めていたフェオ=ウルが訊ね、フィーネは再度竿を投げながら答える。
    「トラフグとか、美味しいらしいよ」
    「あら、楽しみね!」
    「毒の処理失敗すると死ぬけどね」
    「あら……あなた先に食べてくれる?」
    「毒はもう嫌です」
     ウルダハの祝賀会で、ナナモ毒殺の容疑者にされた経験のあるフィーネとしては毒の可能性があるものを口にする気は全く起きない。
    「もっと北の方に行けば食べられる魚とか海老とか、サザエが採れるんだけど。このあたりはあまり美味しい魚はいないんじゃなかったかなあ」
     二人がいるのはクガネから紅玉海に出てすぐの紅玉台場近海だ。もっと深いところまで行って、刺突漁でもすれば採れる魚介類も増える。
    「じゃあなんでこんなところで釣りをしているのかしら」
     ふぁ、とフェオはあくびをする。フィーネの竿には先ほどからあまり魚がかかっておらず、釣れてもリリースしているしで退屈しているようだ。
    「この竿ね、ミーン工芸館の新作なんだよ。カットリスがたくさん使って試してこいって持たされたんだよね。だから今試しているところなんだよ」
    「ここまで来たのは、ご実家に行くためじゃなかったかしら?」
    「行きたくないんだよお」
    「しょうがないヒトねえ」
     しばらく他愛もない会話をしながら釣り糸を垂らし続けるが、なかなか魚はかからない。
    「そこの釣り人」
     そうしているうちに声をかけられる。振り返った二人の背後には侍が三人、立っていた。クガネの役人だろうか。
    「あなたがリゾルート家のフィーネか?」
     問われて一瞬ののち、フィーネとフェオの二人は顔を見合わせる。そしてフェオは空高く舞い、フィーネは竿を引く。
    「人違いですよ。今日は釣れなさそうだし、帰ろうかな」
     家名を先に出されたことが引っかかる。実家の両親が面倒なことをしている気がしてならない。そう考えてフィーネはその場を立ち去ることに決める。
    しかし荷物を片して歩き出すと三人が道を塞ぐように立ちはだかった。
    「リゾルートの家に連れ帰るように言われています」
    「だから、人違いですよ」
     フィーネは足を止めず、迂回しようとするも、三人はさらに行く先に回り込む。
    「このあたりでアウラ・ゼラは珍しい。銀髪である点も、角の形状、尾の形など聞いている通りで人相書きとも似ているように見える。すまないが、手荒な真似はしたくないのだ。着いてきてもらえぬだろうか?依頼主に会ってもらい、人違いなのであれば、その場で解放する」
     どうやら目的はフィーネで間違いないらしい。せめて髪を染めてから来れば良かった。
    「一応聞くけど、依頼主は誰?」
     三人は顔を見合わせ、小声で相談していたがやがてフィーネに向き直る。
    「依頼主はリゾルート夫妻、あなたのご両親だ」
     フィーネは呆れたように肩をすくめる。
    「なんで自分で連れにこないんだろうね」
    「さあ、そこは我々には」
     真ん中の侍が口を開いた瞬間フィーネが走り始め、三人の侍は慌てながらも追いかける。
    「必殺!撒き餌!」
     フィーネは振り向きざま釣りの餌を侍たちの顔にぶつける。
    「ぐああ!目が!」
    「しょっぱい!」
    「意外と旨味がある」
     撒き餌に目潰しされて、口々に騒ぎながら三人の動きは一瞬鈍り、その間にフィーネは停まっていた船に飛び乗る。
    「クガネまでお願い!急ぎで」
     船頭は面食らったようだが、差し出されたお金が多めなことを確認すると、急ぎ船を漕ぎ始める。
    「ま、待て!おい、追いかけるぞ」
     三人は空いていた船に乗り、こちらも船を漕ぎ始める。が、三人がかりでも本職の船頭に比べればかなり遅い。
    「あいつら、なんです?」
     船頭に聞かれて、フィーネは一瞬迷う。
    「……追手?」
    「やっかいごとに巻き込まないでくだせえよ?」
     心配そうな船頭に、フィーネは片腕で「イイ!」して見せる。
    「今ここで沈めるから大丈夫よ」
     フィーネは竿を投げる。
    「どうするの?」
     フェオがフィーネの肩に座る。今まで巻き込まれないように、それからもしもの時は加勢できるようにフィーネから離れて空から見ていたのだ。
    「漁師LBを撃つ」
    「初めて聞いたのだわ。なあにそれ」
     フェオがフィーネの顔をつっつき、フィーネは竿の方を指差す。
    「これが!漁師LB!だ!」
     フィーネが引き上げた竿の先には青く光る魚がかかっていた。と同時に、大きな飛沫があがり海が虹色に光り始める。
    「わ、こりゃ幻海流か?このあたりの海域でみるのは初めてだあ!」
     船頭は驚きの声をあげ、追いかけてきていた侍たちは悲鳴をあげた。
     魚たちが集まってきて、フィーネは次々に釣り上げ、船の進行を妨げる魚をへらす。一方で慌てた侍たちの船は転覆し、三人は海に放り出された。
    「これが漁師の戦い方さ」
     フィーネがドヤ顔を決めているうちに、船はクガネへとたどり着いた。


    ~おまけ~
    ・幻海流
    リムサ・ロミンサで遊べるコンテンツ、オーシャンフィッシングで釣りをしていると発生する現象。一定時間、海が虹色に光ってめっちゃ魚が釣れる。漁師LBという表現はフィーネが勝手に言っているだけで、一般的には使われません。ゲーム中では紅玉海で幻海流を発生させることもできません。
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    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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