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    Tears_reality

    @Tears_reality

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    Tears_reality

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    シール産スイくんと特命調査産まろの話
    時の政府がブラックです

    初めての食事自分達は生きた生物兵器なのだといつか誰かが言っていた。自分達は刀なのだからお上の言う通り切ってさえいればいいのだと。そう思っていたのに。

    「水心子!いい加減食べないと」

    「食べないと、なんだ?」

    数日前政府から配布されたシール交換で水心子はとある本丸に引き取られた。なんでもここの本丸は特命調査の時に自分を迎え入れることが出来なかったらしい。本丸配属は話に聞いていた通りのものだった。政府と違い自分を大切に扱ってくれる。政府は自分たちを代えがあるものとしてまともな扱いして貰えなかった。食事はだいたい薬で娯楽すらなかった。あとはただひたすら切るだけ。そのせいか今だ水心子は生活に馴染めてない。食事は政府から持ってきた栄養の詰まった薬。そんな水心子を彼の親友である清麿が咎めない訳もなく。

    「私達は付喪神だ。食べずとも死ぬことは無い」

    「そうだね、でもそういうことじゃないんだよ。君には楽しみを知って欲しいんだ」

    そう言って口に突っ込まれたものは冷たくてカリカリするもので。

    「食べてみて?美味しいよ」

    ああ、もうほんとにお節介がすぎる。自分の源清麿と目の前の清麿は同位体なのに個体差なのか全然違う。こんなふうに食べ物を無理矢理突っ込んでこなかった。進められるがまま食べれば薬とは違う何かが広がる。

    これはきっかけにしか過ぎない。以来水心子は冷たくて甘いあの食べ物を好むようになった
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    3iiRo27

    DONEritk版深夜の60分一発勝負
    第二十九回 お題:「雨宿り」「兄弟」
    司視点 両想い
    20分オーバーしました
    「うわ、凄い雨だな…」


    薄暗い空から降り注ぐ大粒の雨に辟易しながら、傘を広げた。

    朝からずっと雨予報となっていた今日は練習も中止になってしまい、休日だったことも相まって突如暇となってしまったので、気晴らしにと外に出かけることにした。

    雨が降るとはいえ四六時中大雨が降るというわけではなく、強くなったり弱くなったりを繰り返しているから、合間に移動をすれば、と考えていたけれど、そう都合よく弱まるわけがなかったなと思いながら雨の中をゆったりと歩く。






    その時。視界に、不安そうな顔が写った。


    思わず足を止めて、そちらを見る。
    しまっている店の前で雨宿りをしながら不安そうな顔で空を見上げている、小学校低学年くらいの男の子の姿があった。
    そして、彼のその手には、折れてボロボロになった傘が鎮座していた。





    「…なあ、君。傘、壊れちゃったのか?」


    いてもたってもいられず、声をかける。
    ずっと不安だったのか、見上げるその目には、涙が浮かんでいた。


    「…うん」
    「お母さんや、お父さんは?」
    「いない。僕、お使いとお迎えに行ってるの」



    「お使いと…迎え?」
    「うん。 3388