ギフテッドなすいくんと刀剣男士のまろくんの話僕の名前は水心子正秀。僕はギフテッドと呼ばれる人種らしい。それを知ったのは両親、母親の一言だった。
僕がほかのことは違うという事を知って両親はギフテッド専用の施設に僕を入れた。ギフテッド。それは他とは違った才能を持つ人間のことを言うらしいけど、僕はそんなのどうでも良くて。ここには僕と同い歳くらいの子達が沢山いるけど、みんな様々な事情を持っていて中には同じ仲間なのに敵視してくる子もいる。家にいた時はそんなこと無かったのに。僕がここに来たのは小学3年の時だ。時折両親は来てくれるけど会話はいつもと同じ成績のことだけで僕自身に触れようとしない。
以前「家に戻りたい」と駄々を捏ねたことがあったけどそれは無駄に終わった。そんな日々を過ごしていくにつれ僕はどこか虚しい日々を送るようになっていた。そんな時だった。彼に出会ったのは。
「こんにちわ。」
「こんにちわ。見学の方ですか?」
「見学ではないかな。」
紫色の髪に目には同じ色の瞳。服装はいつかどこかで見た軍服のようなもので。外の知識はいつでた時のために勉強してるけど目の前の彼はどこか人とは違う感じがして。
「あなたはここで何を?」
「主を探してるんだ」
「主?」
主。人探しだろうか。困ってる人は放っておけない。この人を助けなければ。だから僕は彼に手を差し伸べた。
「僕で良ければ手伝うけど。その姿とか名前とかここは僕長いから」
「姿も名前も知らないんだよね。」
「え?でも探してるって」
僕のその言葉に目の前の彼は説明が足りてない事に気づき初対面の僕に彼の状況を説明してくれた。
自分は刀剣男士で未来から審神者候補、彼にとって後の主になる人間を探しに現代に来たこと。以前は審神者になりたいという人間は多かったけど色々あって刀剣男士自ら審神者を選べるようになったんだとか。彼の本丸は審神者が長く不在で一週間以内に見つけないと本丸解体になるらしく期限はもうそろそろらしい。彼はそこの本丸に何かしらの想いがあるようでそこを存続させたいらしい。
審神者になればここから出れるのだろうか。それならばと思ったその時だった。目の前の彼が意識を失って僕にもたれかかってきたのは。聞こえてくるのは穏やかな寝息。そう言えば顔色悪かったっけ。彼がここに来たのは三日前。期限まであと二日。ずっとずっとここから出たかった。審神者になるには選んだ刀剣男士とその本丸の初期刀と時の政府の承認が必要らしい。
部屋に彼を運んでベッドに寝かせる。初対面なはずなのにどこか懐かしさを彼には感じる。触れる髪の毛はとても柔らかくて撫でていたら彼の口からこぼれた言葉に僕は言葉を失った。
「水心子、僕は君を…」