妄想⚠今日、最近毎日のように実験を手伝ってくれている被験者と共にこたつを取り出した。
被験者と別れた後、私が皺だらけにしてグシャリとなった紙達は掌の中で悲しいとでも言いたげにこちらを見つめていた。
私はそれをソッと広げて、再び内容に目を通した。上の方を見ると、私の字で大きくこう書かれていた。
「死んだ人間の生き返らせ方について」
…ふ、
思わず乾いた笑いが零れる。
あの頃は本当に、良くも悪くも純粋だった。
これは不慮の事故で亡くなった恩師ともう一度語らいたくて、始めた研究だ。
研究を進めるには人手がいるからだとか、知識をもっと借りたかったからだとか、あの頃はそういうの抜きで単純に…近しい人間が離れていった事実を認めたくなかった。
613