神山高校の参観日　とある日の神山高校の昼休み。いつもよりずっと、皆はざわざわとしていて、落ち着きがない。そしてしきりに廊下へと視線を投げる。
　その理由は簡単だ。今年初の参観日だからだ。
　斯く言うオレは別にいつも通りだ。親には参観日の事なんて言ってねえし、誰も来ないのは分かってるからだ。
　そもそも、高校にもなって親に授業を見られるとかイヤに決まってる。
「彰人、どうかしたか？」
　立ったまま考えていたオレの思考を、聞き慣れた相棒の声が遮断する。
「……いや、皆浮き足立ってるなーって思った。冬弥のとこは……来ねえか」
「一応日程は伝えたが、忙しいだろうしな」
「言ってるだけ偉いなお前。オレは言ってすらねえよ」
「そうか。……ところで彰人、もう授業開始２分前だ。教室へ戻った方がいい」

Break Out彰冬｜Break Out


*
青柳冬弥从抽屉中抽了张纸覆在指尖上，接着右手拇指一用力，鲜血再次从指缝中洇染了一小块纸巾。
他没再去管指尖湿答答的粘腻感觉，也自动忽略了伤口不断愈合再撕裂的刺痛感。耳机里的音乐张扬而热烈，冬弥眼神慢慢敛下，最后落到眼镜框的下边，踩着节奏的鼓点从班级离开。
他几乎轻车熟路绕过嘈杂的小吃街，穿过忙碌的人流，最后从一片灯红酒绿的招牌下，找到那家位置并不算隐蔽的地下酒吧。
音乐正好结束，耳机中响过一阵阵电流的白噪音，缩在宽大袖子里的手指尖猛地一下尖锐疼痛，青柳冬弥再次感觉到那种熟悉的疼痛过后的空虚，指甲便向着伤口重新摁了下去。
耳机被随便缠了两圈丢进背包侧面，冬弥拉上卫衣兜帽，用尚还有一丝完好皮肉的右手缓缓拉开了酒吧大门。