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    さとすら

    @satoshirasura

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    さとすら

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    トマタルワンドロ企画参加!
    お題3個全部お借りしました!
    [ヤキモチ、休日、色仕掛け]
    現パロ同棲社会人🍅🐳
    妄想成分100%!色仕掛け成分足りなかった感🤔

    #トマタル
    tomataru

    ヤキモチ休日色仕掛け「、、、ん?」
    それに気がついたのは偶然だった。

    天気の良い日に特に出かけるでもなくソファに転がり、午後のゆるやかな時間を満喫していた。
    昼飯は済んだし、掃除も午前中に終わった。洗濯物も暖かな日差しのもとヒラヒラと舞っていて、夕方には乾くだろう。
    トーマと二人で住むようになってから、家事を二人でこなすので平日も休日ものんびりできる時間が増えた。好きな人の顔が毎日見れるという利点はもちろんのこと、仕事が立て込んだときに風呂とご飯と笑顔の三点セットで出迎えてくれる有り難さは、涙が出るほどだ。

    世話焼きな彼は、俺を甘やかすのが好きだ。大好きと言ってもいい。少し疲れた時などに頼ろうとすると、任せてくれと気合を入れて食事の支度から風呂後の髪の乾燥、寝かしつけまでやろうとする。
    彼には母親ではなく恋人のボジションでいてほしいので、ある程度のところでストップをかけるのだが、その時の彼には垂れた耳と萎れた尻尾の幻影が見える。マテに対してくーんくーんと鼻を鳴らして鳴く大きくてもふもふの黄金の毛色のわんこ。可愛さの前に全てを許してしまいたくなる。

    今週は特に忙しく、よく甘やかされた自覚はある。
    お礼に彼が気になると行っていたパン屋にでも一緒に行こうか。トーマの作る和朝食も好きだが、朝にパンがあると少し朝寝坊できるし、一緒に布団でごろごろできる時間も増える。

    はて、店の名前は何と行ったかと、机の上にあった共有のタブレットを手に取り、二人で撮った写真がランダム設定されたトップ画面を開いた。今日の画面は、引っ越し祝いに撮ったツーショット。画面いっぱいに腕を伸ばしてカメラを持つトーマと俺が頬を寄せ合って嬉しそうにしている。
    たしか先々週くらいにパン屋の話題が出たときに一度検索したから、履歴から探せるはずだ。すいすいと操作して目当ての画面にたどり着く。

    そこで違和感を覚えた。
    今週の履歴が消えている。

    この端末を使うのは二人しかいないから、俺でないのなら消したのはトーマだ。みたところファイルなどは残っているから、端末の動作が悪くなって色々消したとかでは無いらしい。

    ブラウザ履歴の消去
    年頃の健康的な男性

    これはあれだろう。えっっっちなやつ検索したな?
    トーマってば俺というものがありながら!
    ここ最近は確かにタイミング合わなかったけれども!

    消されるとかえって気になる。一体何を見たのだろうか。無粋だとは思うが、好きな人の好みはやはり気になる。
    恋愛経験の少なかった俺に比べ、トーマは彼女がいたこともあるし、女性の体をやっぱり見たくなることがあるんだろうか。

    以前にあまりにも俺の尻をよく触ったり揉んだりするので、尻派なのかと聞いたら胸派だと言っていた。俺も男だから胸の魅力はよくわかるし、トーマのふかふかの胸筋は好きだ。
    トーマのお宝を発掘したこともあるが、それもたわわな胸メインのパッケージだった。すぐに没収されて内容までは確認できなかったし、隠し場所もその後変えられてしまった。

    あのなだらかな曲線美に本能的に惹かれるのは仕方がないと思うけれども、全くヤキモチせずに納得できるかはまた別だ。
    闘争心が強いというか、負けず嫌いな性格をしているのは自覚している。初めてこんなに大好きになった人にいっぱいいっぱいになってる俺に対して、経験値があって余裕のあるトーマに思うところもあるのだ。
    そこでせっせと買い物メモの書き出しをしているキミだよトーマ君。

    「ん?何だい?」
    ジトリとした俺の視線に気がついたのか顔を上げ、へにゃりと笑うトーマは今日もかわいい。

    ソファから降りて、ラグに座る彼のもとに膝立ちですり寄った。隣りに座って軽く寄り掛かかると、あいている方の手で頭をわしわしと雑に撫でられる。これが結構気持ちよく、猫がゴロゴロいうように目を細めて受け入れていると、先程浮かんできたドロりとした気持ちが少し薄くなる気がした。

    頭を擦り付ける俺に「んー可愛い」と言いながらご機嫌になったトーマが、今度は両手で顔周りをマッサージしてくる。少し体温が高めの手に程よい力で揉まれ、俺の顔もだんだんと暖かくなってきた。時折指先が耳の裏や首筋を掠めると、別の気持ちよさから思わずぴくりと体が反応してしまう。

    ふっ、と息を漏らして笑う声にまぶたを開けると、ピントが合わないくらい近くに新緑の輝きがあり、頬に柔らかいものが押し付けられた。
    自分でしておいて照れたのか、トーマの頬も暖かそうな色になっている。

    そのまま顔が離れていくのが惜しくて、自分の唇に指をトンとあて「こっちは?」と無言で問いかけてみると、一瞬キョトンとしたあと、ものすごく嬉しそうな笑顔になった。
    俺からのお誘いに瞳をキラキラさせるトーマの背後には、全力で左右に振られる尻尾の幻影が見えた。


    酸欠になりかけるまで翻弄され、クラクラしてきたところでやっと解放された。呼吸を整えながらトーマのふかふかの胸筋を堪能していると、ソファに置いたままのタブレットが目に入り、先程の疑惑の履歴の存在を思い出した。

    「ね、トーマ。あのさ、おっぱい好き?」
    「突然何??」
    楽しそうに俺の後頭部を梳いていたトーマの手がビクッとした。

    「いいから答えて。おっぱい好き?」
    「まあ、人並みには、、、?」
    トーマに見えるよう、タブレットを手に取り聞いてみる。疑惑はここにあるんだぞ。

    「尻とおっぱいどっちが好き?」
    「??おっぱいかな?」
    一体オレは何を聞かれているんだと疑問符をたくさん浮かべながらも、律儀に答えるトーマ。まんまるになった大きい瞳に、詰め寄る俺の姿が映っているのが見える。

    「俺の尻とどっちが好き?」
    「もちろん君の尻」
    「おっぱいじゃないの?」
    「大好きな人の方が好きに決まってるだろう?」
    「、、大好き?」
    「、、、だ、大好き。好きだよタルタリヤ」
    「うん、俺もトーマ大好き」

    突然始まる告白大会に互いに顔を赤くする。
    照れくさくてタブレットを抱えたまま目を泳がせていると、背中に手を回して引き寄せられた。幼子にするように、抱きしめて背中をトントンと軽く叩かれる。

    「突然どうしたの?何か不安になっちゃった?」
    「いや、その、、、あの、トーマがタブレットの履歴消してたから、俺じゃ足りなかったかなとか、おっぱいには勝てないよなとか思って」
    「履歴?おっぱい?、、、ああ!はははっ!」
    やっと合点がいったようで、トーマは急に声を出して笑いだした。

    「何でタブレットをさっきから構えてるのかと思ったら、、くくっ、そういう、、ふはっ」
    一度笑いだしたら止まらなくなったらしく、抱きしめられたままのこちらにまで肩を震わせながら笑う振動が伝わる。そんなに笑わなくてもと、トーマを引き剥がしてジト目で睨む。

    「トーマのおっぱい星人め」
    「ははっ、少し違うんだって、、ふふっ、」
    「無駄な抵抗はよせ。たわわな果実を見に行ったんだろ」
    「言い方がオジサン!待って本当に笑いすぎてお腹痛い、、、だいたいそんな画面の向こうのものに頼らなくても隣に寝てる君で、、おっと」
    何を言いかけたのか、手でパッと口を抑えた。

    「俺で?何?」
    「ななな、なんでもないよ?何もしてないよ?」
    それは絶対何かしてる人の反応だ。たわわなお姉さんの代わりに、眠る無抵抗な俺で何をしたんだって?先程までとは形勢逆転で、泳いだ目をしているトーマの顔を両手で挟み、ズイっと顔を近づける。
    「とーまぁー??」

    トーマのおねだりわんこ顔に俺が弱いのと同様に、トーマも俺のこのおねだりには弱かった。少し舌足らずになるように名前を呼ぶと、抜群に効く。至近距離でくらったトーマは、顔を真っ赤にして口を開いたり閉じたりあわあわしている。

    「と、とにかく!君が予想しているようなやつは見に行ってないから!誤解だから!」
    「じゃ、何を見たの?履歴まで消して」
    「う、ま、まだ内緒」
    「まだ?」
    「後で教えるから」

    赤い顔をしたまま、トーマは頬にあった俺の手を取って手のひらに口づけた。
    手のひらへのキスは懇願のキス。
    これ以上聞かないでってことか。上目遣いでこちらをチラチラ見てくる可愛いわんこのお願いに免じて、とりあえず今のところの追求はやめてやろう。

    「わかったよ。後でね」
    足元に転がっていたタブレットをテーブルに戻し、一旦引き下がる姿勢を見せると、ホッとした顔をして嬉しそうに抱きつかれた。
    また頬に口づけを送られ、ぎゅっと一度力をこめたあと、離れ際に耳元で囁かれた。

    「夜を楽しみにしててね」

    いつもより少しだけ低い声で聞こえた内容に一瞬理解が追いつかず、一時停止状態になったすきにトーマは立ち上がって買い物へ行く準備を始めた。

    「冷蔵庫空っぽに近いから、今日はたくさん食材買わないとね」
    「(は?夜?後でって夜?)」
    「ついでにドラッグストアも行こうか。色々買い足すものもあるし」
    「(ネット見たのって、夜に関すること?)」
    「スーパーでお一人様一点限定の欲しいのがあるんだけど、一緒に行くよね?」
    「(楽しみにしててって、ネット検索しないとわからないようなことを?俺と夜にやろうと?)」

    「タルタリヤ?聞いてる?」
    「!き、きいてる!きいてる!」
    騒がしくなった脳内会議を中断し、熱くなった顔の熱を手で仰いで冷ます。
    「買い物一緒に行くよね?」
    「、、うん行く。ついでにこの前トーマが言ってたパン屋も行こうよ」
    「お、いいね。食パンとバゲット欲しいな」

    急なお誘いに動揺する俺に対して、家事モードに入ったトーマはいたって普通な顔をしている。あぁ、また俺だけドキドキしていてなんだか悔しいと思いながら、二人で買物に出掛けた。


    休日は二人で台所に立つことが多いのだが、今日の夕飯はお任せあれとトーマが言うので、俺は洗濯物と風呂掃除を担当した。
    正直助かった。まださっきの声が耳に残っていて、変な気分になりそうだったから。ここ数日多忙による意図しない禁欲生活状態で、トーマが足りない。足りなくても何とかなるものだが、先程キスしたことにより不足を自覚してしまった。一度自覚してしまうと、満たされるまで欲しくなってしまう。

    まだ夕方だし駄目だと、精神統一をはかってタオルを無心でたたむ。
    半分折り半分折り重ね置き、半分折り半分折り重ね置き。あ、トーマのシャツ。さっき抱きしめられたときにもした、いつもの柔軟剤のにおい。思わず手を止め、シャツを目の前に掲げ、

    「ご飯できたよー!」

    見てたのかというくらいバッチリなタイミングで、隣の台所からトーマの声がして心臓が跳ね上がった。

    「温かいうちに食べよう!洗濯物残りは後でいいから、お箸並べてくれるかい?」
    エプロンをつけたトーマがひょっこり顔をのぞかせる。反射的にシャツを他の洗濯物の山の中に突っ込み、なんでもないという顔をした。ちょっと匂いをかごうかと思っていたなんてバレてたまるか。
    「い、今いくよ!」

    台所にいくと、テーブルに特大のハンバーグが鎮座していた。焼き立てでほかほかとした湯気が上がり、赤みがかった艷やかなソースにアボカドとゆで卵のトッピングが彩りを添える。部屋を満たす焼けた肉の香りに、胃袋がキューと鳴いた。
    たしかこれ先週二人して観た旅番組で紹介されていたやつでは?俺が美味しそうだね食べてみたいって言ったやつ。

    「トーマ、これ、」
    「君がこの前食べたいって言ってたやつ。スパイスの配合がキーらしくて、レシピ検索して作ったんだ。平日は帰りの時間読めなくて焼き立て出せないかもだし、休日まで内緒にしようと思って」
    「、、、おっぱいは?」
    「見てないって。まだ言うの?」

    君がいるんだから間に合ってますと、くすくす笑うトーマに思わず抱きついた。
    「、、、とーまぁ」
    「おかわりもあるから沢山食べてね。ソースもいい味だよ。さっき買ったパンにつけて食べちゃおう」
    「うん、食べる。ありがとう。すっごい美味しそうだ」

    特大ハンバーグはものすごく美味しくて、パンとソースの相性も良くて、何より俺のために作ってくれたのか嬉しくて、大満足だった。おかわりも沢山した。

    夜って夕ご飯のことか。一人勘違いした自分がなんだか恥ずかしい。そもそも欲求不満な俺に、抱きしめながらあんな耳元で囁やいたトーマが悪い。あれは勘違いするだろ。
    でもそうか、トーマには俺がいればいいんだ。朝ごはんにパンも買ってきたし、明日は二人でのんびり朝寝坊しよう。

    「ね、とーまぁ。その、今日は一緒に寝ようね」
    「う、うん!もちろん!」
    少し照れながらお誘いすると、ボッと真っ赤になった顔と、またもや見える全力で左右に振られるわんこの尻尾。嬉しそうに照れ笑いする顔がとても可愛い。俺の手をいつもより熱い手できゅっと握り、上目遣いで覗き込んでくる。
    「あとね、えと、その、君さえ良ければやってみたいことがあるんだけど、、」
    「えっ」

    朝ごはんはお昼ごはんになったし、立てなくて布団で食べさせてもらうことになった。甲斐甲斐しく俺の世話をやくトーマはとても楽しそうだ。
    消した履歴何を調べてたんだ!
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    さとすら

    DONEトマタルワンドロワンライ企画参加!
    お題[お誕生日]お借りしました🎂
    仕事に追われる🐳と労り担当🍅
    策士🍅好きです!!!!イチャイチャしてくれトマタル!!
    お誕生日港湾都市の賑わいあふれる中心部の上層に、静かに佇む北国銀行璃月支店。
    異国の服を纏う番人の守る扉をくぐると、そこは巨大な柱と豪奢な壁に囲まれたロビーになっており、吹き抜けの天井には密やかに交わされる商談の声とモラの金属音が響く。置かれた椅子や調度品は見るからに上等で、大陸を股にかける銀行の資金力の高さをうかがわせた。

    表通りの喧騒とは隔絶された行内の廊下を、部屋の主に来訪が伝わるようにわざとカツカツと靴音を鳴らして歩くのは本日の受付担当の女性だ。奥にある執務室の前で止まり、分厚い扉をゆっくりとノックした。

    「公子様、お客様がお見えです」


    あぁ、最近本当に面倒な仕事が多い。
    普段から書類仕事はあまり好きではないが、締切を破らないようには回していた。いま手元で決済を待つ案件も、予定では数日の猶予があるはずだった。しかし、予定は未定とはよく言ったもので、やれ大口顧客の呼出だ、やれ部下の失敗の補助だ、やれファデュイの方の報告書の追加だとイレギュラーに発生した仕事が次々と重なり、気がつけば自分の執務机は書類で溢れていた。
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