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    hatimitu_umeko

    @hatimitu_umeko
    サンプルや進捗状況など。FGO以外の短めの作品もこちら。

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    POIPOI 15

    hatimitu_umeko

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    カレパで展示作品予定の前半。ここからすけべが始まる(プロット)。
    内容が変わる可能性は大いにあり。

    お手入れのビマヨダ 許さないままに宿敵を愛してしまい、その感情に気付いた日からビーマはドゥリーヨダナを抱くようになった。元々空腹を我慢出来る性分ではない。手を出せる場所に居るならば、剥いて揉んで温めて舐めて噛んで、食べ尽くしてやるのがビーマの生き方だ。加えて心とは正直なもので、体を重ねる度にドゥリーヨダナを前よりも愛し、遂には執着さえ生み出していく。自分以外、誰もあの男を食べてはならないと狂う程に。
     ドゥリーヨダナは美しく、旨い男だった。
     元々悪辣で下劣な性格を外見の良さで取り繕っている男だと認識していたが、初めて部屋に押しかけてドゥリーヨダナを抱いた時、その味わい深さにビーマは驚いて舌を唸らせた。そこには美しいだけでなく、生娘の反応と素朴さが添えられていたからだ。一皮剥いた中身が腐ったゲテモノでも食い尽くす覚悟をしていただけに、意外にも初心な内面は更にビーマの情欲をそそった。
     例えるならば、まだ薄っすらと青い果実。熟れていると思い、強引にもいで噛り付いた際の酸っぱさをビーマは忘れないだろう。赤らんだ頬と浮かんだ涙、恥じらいで隠そうとする震えた手。ここではもう二度と食べられない獲物。腹の底に落ちてしまったからこそ、もっと手を尽くして調理し、最初の一口を味わってやれば良かったと思い返しては後悔する。
     ――初夜を超えた二皿目以降、ビーマの前で体を晒すドゥリーヨダナの美しさは増していった。髪は柔らかく艶やかで、肌は滑らかに光の下で輝き、纏う花の香りは洗練されていく。足のつま先まで甘い男は、あまりにも上等な肉になり過ぎた。シーツという皿の上のドゥリーヨダナを丁寧に仕込んでも上品に喰らうことは出来ず、本能のままにビーマは何度も抱き潰して、肉の一片も残さず骨までしゃぶった。
     髪は乱れてうねり、肌は行為の痕で彩られ、花の香りは性によって掻き消される。全てを余すことなく食い尽くされたドゥリーヨダナも、また別の美しさがあった。啼き喚いて枯れた喉、潤んで焦点の合わない瞳、火照って力が抜けた四肢は、何処までも旨い体を自分が抱いて征服したのだとビーマの心を満たした。その姿に煽られて、お代わりを求めた朝は数知れない。
     そして何よりビーマが惚れたのは、どれだけぐちゃぐちゃにドゥリーヨダナを調理して食い荒らしても、次の日のベッドの上では綺麗に整えられている所だった。真っさらな体で横たわり、未だ高貴な肌を誰にも抱かせていないと言う顔をしてビーマを誘う。喰らう時に付けた痕さえも一部を除いて元通りになっているのは少し惜しいが、新たに噛んで舌で遊んでやる楽しみを与えてくれる振る舞いは悪くなかった。頑なに綺麗な体ほど、仕込みがいもある。
     自分の手で熟れた体が、前より美しく、時には風味を変えて、食べ応えのある極上であり続ける。まさしくドゥリーヨダナは、ビーマにとって最高の食材だった。恐らく永遠に味わいに飽きることはない。そんな愛おしく旨い男を、ビーマは今夜も調理して食べ尽くすと決めていた。髪を撫でて耳元のピアスを弄んで、閨へと促す誘いを囁けば、不満を表しながらもドゥリーヨダナは期待で赤面することだろう。自身の雌として下拵えされた姿を想像してビーマは口元を綻ばせた。

    「わし様は清廉で高貴な生まれだからな。その務めとして、常に美しくあらねばならん。故に立場を弁えず図々しくこの身を求める乱暴者にも、それなりの対応が必要なのだ。実際に触れさせるかどうかは別にして、隅々まで磨き上げてから会ってやるのが作法というものよ」

     その日、ドゥリーヨダナは珍しく食堂に来なかった。忙しいランチタイムが終わり、仕方なく暇を貰ってビーマがドゥリーヨダナを探していれば、酒場で見掛けたとの声が上がる。昼間から飯もまともに喰わず、酒に溺れている姿を想像して、ろくでなしらしいと呆れつつ足を運んだ。酒場に近づくにつれて、アルコールの匂いの中に花を嗅ぎ分けて居ることを確認する。さてヘッドロックをしながら嫌味の一つでも言ってやろうかと入れば、聞こえて来たドゥリーヨダナの声にビーマは動きを止めた。
     目線を向けるとドゥリーヨダナはカウンターに並び、他の酒飲み面子と喋っている最中だった。背後のビーマにはどうやら気付いてないようで、そのまま調子に乗って柔らかい髪を靡かせ、美しくある為の作法とやらをふんぞり返って教示している。その話の内容はどう考えても自分との閨に関するもので、ビーマは思わず気配を消して聞き耳を立てた。じっとドゥリーヨダナの後頭部を見詰めれば、向かいの店員と目が合って静かに笑われる。
    「この美貌を乱暴者に見せびらかす為に、わし様は手間を惜しまず、爪先まで手入れを――」
     演説のように語られる内容は怒涛の如く脳に流れ込み、これまでずっと閨の主導権を握っていた側だと思っていたビーマに衝撃を与えた。細かい美容の化粧や道具に関しては理解出来ずとも、その手間の多さからドゥリーヨダナが自分に抱かれる為だけに、時間を掛けて準備をしている事は分かる。偉そうに宣っているが、ただ純粋にビーマに美しいと言われたいと思っているのは明らかだった。あらゆる労力を費やし、体の隅々まで手入れをして、宿敵に食べられにいく。
     所詮、酒の席の惚気だ。酔っ払いの戯言に過ぎないのに、先程まで硬かったビーマの頬が解れて笑みが溢れる。閨でしか見せない捕食前の笑みに、さて接客中の店員の口元が引き攣ったが、気にせずにビーマは未だ大声で喋り続けているドゥリーヨダナの背後へ近付いた。他の酒飲みが先に足音に反応し、こちらを見て苦々しい顔をする。周囲の異変にドゥリーヨダナが気付いて振り返るのと、ビーマがその肩を掴んで引き寄せたのは同時だった。
    「げぇ!?ビっ、ビ、ビーマッ!?なんで貴様がここに!食堂に籠っている時間だろう!?」
    「あぁ?どっかのろくでなしが、折角用意した昼飯を食わずに飲んだくれているって聞いてな。わざわざ休んで探しに来てやったんだ、精々感謝しろ」
     背後のビーマを視認した途端、酔いで薄っすらと赤くなっていたドゥリーヨダナの顔が一瞬で青ざめ、この場から離れなければと腰を上げた。しかしこんな旨そうで活きの良い食材を逃がす訳がなく、指が食い込む程に肩を掴む力を強くし、暴れる手足を無視して腕の中に捕獲した。抱き締めながら背骨を軽く絞め上げれば、利口な食材は逃れられないと悟り、大人しく肩を震わすだけの肉に成り果てる。怯えた瞳に映る獣が嬉しそうに口を開く。
    「まさかお前がそんなに俺の為に、見た目に気を遣ってくれているとは思わなかったぜ」
    「い、いや、別に……貴様だけではなく、わ、わし様は平等に、この美しさを披露して、な」
    「そうかそうか。昔と違って、今は食材が自ら仕込みをするんだな。便利な時代になったもんだ」
    「はぁ?食材だと?貴様、わし様を食い物に例えるなど不敬にもほどが――」
    「料理人として食材に関する知識は学んでおきたいんでな。俺にもその仕込みのやり方をご教示願おうか?なぁスヨーダナ」
     今まで何度も食べ尽くしたはずの男は、自分以外の手で仕込まれたものだった。例え手を加えた相手が食材自身だったとしても、調理前の状態を把握し切れていなかったのは料理人の名折れだ。体の隅々までドゥリーヨダナが、どの様に手入れしているのかを把握する義務がビーマにはある。何よりこの茹で上がって可愛らしい顔をしているドゥリーヨダナをこれから構い倒し、じっくり抱き潰してやらないと勿体ない。
     新鮮な食材は足が早い、開き直って生意気になる前に急いで運ぼうとビーマは、狼狽えるドゥリーヨダナを担ぎ上げた。当初の予定から離れ、食事の時間が夜から昼になろうとも、朝まで行うことは変わらない。これから何をされるか、利口な食材は直ぐに理解したらしく大声で騒ぎ出し、周囲に助けを求めたが、当然ながら巻き込まれたくないと目を背けられた。酔い過ぎて余計な世話をする奴は居ないことに胸を撫で下ろす。他人の食事を邪魔するならば、うっかり吹き飛ばしてしまう所だった。
    「酒の席を白けさせて悪かったな!バーテンダー、詫びとして全員に好きなもんを一杯注いでやってくれ。この馬鹿の会計と合わせて、後で俺が払おう」
     だから誰にも漏らすんじゃねぇぞ。と最後、これ以上ドゥリーヨダナの旨さが広まらないように釘を刺しておく。笑顔のまま牽制し、店員の辟易とした溜め息を了承と受け取ってビーマは、そうしてドゥリーヨダナを大事に抱えて酒場から連れ去った。
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