幾星霜を経ても—6月某日
"カランカラン"
来客を知らせるベルの音がする。
「あ、リョウくん!こっちこっち!」
「本多。なんだよ?急に呼び出して。」
「オレもミーくんに呼ばれたんだ。」
俺は高校時代からの親友たちを呼び出していた。
「あー、悪いな、2人とも。忙しいのに…。」
「いいよ。で、どうしたんだよ?」
「2人に、聞いて欲しいことがあって…。」
『?』
「あの、さ。俺…」
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「ミーくん…!!!」
「…マジかよ、七ツ森。」
ダーホンは見たことないものを見つけた時のように嬉々として目を輝かせ、
カザマは心から穏やかに、でも少し寂しそうにも見える柔らかい笑顔で言ってくれた。
「ああ。それでカザマにはさっき言ったもの、探して欲しいんだ。」
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