「はい、ご挨拶」
「ロナルドです。よろしくお願いします」
わずかに緊張した面持ちだった吸対諸君も、同じく緊張した様子でぺこりと頭を下げる彼に警戒心を解いたようだった。
「えー。彼は私の家で飼う事になりました。必要な物の届け先はこっち当てでヨロシク」
「えっ」
「隊長」
室内がどよめくが、私だって誰かに説明されたい。彼に聞いてくれと促せば「ドラ公!」と大声が響いた。
「何で隊長の家に……?」
代表して希美君が質問しても、目を左右に泳がせるだけで答えは出ない。う、とか、あ、とか苦し紛れの発声は意味を持たなかった。
「ヌヌヌヌヌヌ~」
「おや、お疲れ様」
愛らしい丸ことジョンがてちてちと近寄ってくる。
「そう、ジョン! 隊長さんは、なんか可愛い使い魔持ってるって聞いて! 俺、動物、好き!」
1937