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    だみぃにゃん

    @pumpkincat02

    陳情令で沼に足を滑らせました。
    ここにないものはぴくしぶに収納済。

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    だみぃにゃん

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    兎さんのイラストにまたSSを添えて逃げます。

    [壁]彡 さささささっ

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #忘羨
    WangXian

    「ふんふんふん」
    魏無羨は厨に立っていた。もちろん料理をするためである。
    その隣では藍忘機が真っ白になっているが、ご機嫌な彼は気がつかない。
    「ふんふんふん」
    厨には鼻歌と美味しそうな匂いが立ち込めている。


    その日の朝
    藍忘機は珍しく魏嬰の寝顔をゆっくりと見つめていた。

    急ぐ案件もなく、たまにはゆっくりしようと勤めを全て片付けたのが昨日のこと。
    今日は一日ゆっくり愛しい道侶と過ごすことができる。
    驚かそうと魏嬰には内緒にしていた。
    腕の中の黒狐は未だ夢の中。

    巳の刻も過ぎようという頃、ようやく魏嬰が身動ぎと共にその瞳を覗かせた。
    忘機が、そのとろとろと潤むニ藍の瞳を飴のようで美味しそうだと見つめていると。
    「俺まだ寝てるのかな。らんじゃんが見えるぅ」
    と腕を回してきた。
    さも当然というように重なる唇。
    「魏嬰おはよう」
    「ん、うー。藍湛おはよう。なんでいるの?」
    伸びを一つ。こてんと小首を傾げ訪ねてくる。
    「休みを取った。今日はずっとあなたと一緒。」

    途端、魏嬰の瞳が嬉しげに輝く。
    「ほんとに!?藍湛何をしよう?俺一緒に行きたいところも、したいことも沢山あるんだ。」
    ふっと思わず吐息が漏れる。こんなに喜んでもらえるととても嬉しい。
    「まずは朝餉を。支度をしてくるから、待っていて。」

    厨で用意をしていると、
    「藍湛。俺も何か作りたい。雲夢では結構評判だったんだぞ。」
    「では汁物を頼む」

    やがて汁物のいい匂いが漂ってきた。
    魏嬰の手料理。義城での報告にあった粥のことは聞いている。
    衝撃的な味と記載されていたが、すごく羨ましかった。
    忘機はそわそわと隣を伺う。
    ちょうど魏嬰が調味料に手を伸ばそうとしていた。
    ならば匙をと差し出した手は、そのまま行き場を失った。

    「ふんふんふん」ざばぁああああ
    「!!!!?」
    「あ。少し入れ過ぎちゃった。まあ誤差だ。いつもより物足りないけど美味そうにできたし」
    「!????」

    調味料は匙で計るものではなかったか。
    少しとか誤差の範囲とういう量だろうか。
    何より魏嬰の辛党具合を甘くみていたと忘機は衝撃で揺れる頭で思った。

    芳しかったに香りは、むせかえりそうになるほど芳醇に。
    透き通っていた汁物は、愛を表すかのように熱烈な色に。
    藍忘機は期待と衝撃と決死の覚悟で真っ白に。



    午後、彩衣鎮では仲良く寄り添い歩く夫夫。
    その透き通る美貌をいつもよりなお一層白く染めた含光君と、ご機嫌な鼻歌と笑い声を奏でる夷陵老祖が見られたという。
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     顎をくすぐり、のどぼとけをたどり、鎖骨の間をとおって、袷に指がかかる。
    「やめてくれ!」
     しかし、藍曦臣の手は止まらなかった。
     無常にも袷は開かれ、傷跡があらわになる。
     温氏につけられた傷は凹凸をつくり、肌をゆがめていた。
    「見るな!」
     江澄は両手で胸を隠したが、遅かった。
     藍曦臣の目が見開かれて、柳眉がひそめられる。
     汚らしい、と聞こえた気がした。

     江澄は飛び起きた。
     跳ねのけたらしい掛布が足元で丸まっている。
     ここは宿だ。姑蘇の宿である。
     江澄は清談会に出席するための旅の途中であった。
    (またか)
     長大なため息がもれた。
     同じような夢を見るのは何度目になるだろう。今日はもう雲深不知処に到着するというのに。
     胸に手を当てる。
     傷痕は変わらずにここにある。
     最後に藍曦臣と会った後、江澄はあらゆる傷薬を取り寄せた。古傷を消すような軟膏を求めて、文献をあさった。
     しかしながら、都合のいい薬種は見つからず、今に至る。
    「宗主、お目覚めですか」
     扉の向こう側から師弟の声がした。少々寝坊をしたか。
    「起きた。すぐに行く 2468