かつて、笑顔で溢れる小さなステージがあった。様々な世界を見せてくれる、とても賑やかな、小さなステージ。
そこはいつでも笑顔に溢れていた。親を急かして手を引くこどもの声、開演を待つ期待の声、歓声、終演を惜しみつつも溢れる感動の声。
そしてその笑顔は4人と2体のロボット、きぐるみだけになっても途絶えることは無かった。
園内で耳をすませば聞こえてくる、楽しげな声。きっとそれに混ざってちらちらと聞こえてくるのは、週末のショーのセリフだろう。
そんな小さくもあたたかいステージに、奇妙な噂があった。
静まり返ったそのステージで、どこか寂しそうな声が聞こえる。
かた…かた、と、舞台袖で音がする。
この施設のスタッフたちからの報告が絶え間なく続き、とうとう責任者から相談があった。他の誰でもなく、オレたち…ワンダーランズ×ショウタイムに、行ってみてはどうか、と。
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