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    Legendersより
    2023年1月5日のプロデューサーへ

    #SideM
    #Legenders
    legends

    Legendersより 2023年1月5日のプロデューサーへ「行っちゃったねー」
     忘れもしない、オーディション当日。リリースイベント。テレビや舞台の初出演。一つ一つの積み重ねが、思い出となって脳を駆け巡る。
    「今生の別れじゃない。何ならすぐ会える距離だ」
     ぽんぽんと僕の頭に手をやる雨彦さん。子供扱いしないでくれと再三伝えているが、彼も感傷に浸っているのかもしれない。厚い掌を、今だけは許してやろう。
    「我々には、LINKも、電話も、手紙もあります」
     寂しそうに笑うクリスさん。あなたの膨大な情熱を受け止める貴重な人だよ、簡単に手放しちゃだめだからね。
    「だから、落ち込まないでください、想楽」
    「落ち込むな。北村」
     全く、うちの大人たちは。繊細な感情表現を、若者の僕に任せるんだから。泣くのは年少に任せておけばいい、自分達は大人らしく切り替えている、そんな風に見せたいのだろうか。不器用な、暖かい仲間。
    「落ち込んでなんか、いませんよー」
    「そうかい?じゃあこの身長差のせいで、お前さんの顔はよく見えなかったということにしよう」
    「では私は、たまたま手元にあったハンカチを貸します。髪が海水に濡れているように見えたので」
    「もー、なんなの、二人とも」
     後から後から溢れてくる雫を、必死にバレないようにやり過ごしていたのに、めざといんだから。不器用な僕。まだまだ青い僕。
    「次会うときは、パワーアップしてなきゃいけないんですからー。休んでる暇、ないですよー」
    「その通りだ。見違えたと言わしめてやらないとな」
    「明日からも、大切に歩んでいきましょう」
     頼もしい、自慢の仲間たちと一緒に。覚悟しててよ、プロデューサー。僕らの未来は、あなたの予想できない先まで、伸びてるんだから。
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    kurautu

    DONE2020年4月頃の話。こちらの世界と同じ事が起きています。
    REBOOT 部屋はもうすっかりキレイになっていた。まるで雨彦さんが掃除をしてくれたみたいに。テレビもつけずに、スマホを手に取る事もせずに、僕は畳の上に転がって天井を眺めていた。少しだけ開けた窓からは爽やかな風が流れ込んでくる。今すぐ電車に飛び乗って、あてもなくふらりと、どこかへ。そんな気分になる季節だった。それが叶うだけの時間もあった。だけど、できなかった。目に見えないそれはどこを漂っているのかなんてわからないのだから。
     大学の授業は休講になった。決まっていた仕事も軒並み延期か、中止になった。予定していたライブも……やりたい、だなんて、言えるはずがない。レッスンすらできずに僕たちはそれぞれの場所にいた。こうなる前に、最後に丸一日家から出なかったのはいつだっただろう。何をしようかと楽しみにしていたあの時の気持ちは今の僕の中にはなかった。読みたい本はたくさんあるけれど、観たい映画もあるけれど、今はそれを心から楽しめる自信はない。こんな気持ちで触れるのはどうしても気が進まない。そうやってたくさんの選択肢を潰した結果、僕はこうして何もせずに転がっていた。時間が過ぎていく。焦るというよりももっとぼんやりとした、けれど大きな何かが体ごと押さえつけているようだった。
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