孤独じゃない人 同情は苦手だ。望んでいない感情を向けられると、どうしていいかわからない。もちろん受け止めるし応えるけれど、おそらく相手の求めている反応にはならない。
「ご両親がいないの、可哀想ね」
「一人でいるの、大変でしょう」
そんなことはない、平気だ、これが当たり前だから、慣れてる、どの言葉を選べば果たして正解なのだろう。強がりでは決してないのに、未成年の主張というものはどうにも曲解される。勝手に俺を「寂しい人」として扱われると、途端にそういう膜のようなものに覆われた心地になって、息が苦しくなる。
俺は一人じゃない。
頼れる仲間が、プロデューサーが、応援してくれるファンがいる。
孤独じゃない。愛されている。
――愛、なんて、あいまいで、あやふやなもの。
胸の奥が熱くなるのは、アイツのことを考えている時。手探りで弄られている夜を思い出す時。きっとこれは愛からくる行為だ、と、羞恥で爆発しそうな脳で必死に手繰り寄せていく。
愛されている。俺は、愛されている。
アイツの眼光を一身に浴びている時、どうしようもなく呼吸が苦しくなるけれど、それは決して嫌なものじゃない。
愛されている。それだけで、世界は満たされる。
俺は一人じゃない。最近はそう言って、笑みを返せるようになった。
俺を孤独にさせたい人は、相変わらず不服そうな顔をするけれど。