エクスクラメーション はっと目を覚ますと、雨彦さんの肩に頭を乗せていた。ぐらぐらする頭を必死に正常に戻しながら、今がいつでここがどこなのかを冷静に思い出そうとした。えーと、たぶんここは、雨彦さんの部屋。
「起きたかい」
「寝ちゃってたんだねー……ふわあ」
あくびをひとつ零しながら、ゆっくりと身体を起こすと、肩から重みがぱさりと落ちた。温もりの塊を手繰り寄せると薄手の毛布で、雨彦さんの鬢付け油の香りがする。わざわざかけてくれたんだろうか。壁の時計はまだ帰宅するには早い数字を指していたから、もう一度毛布にくるまってみる。
「寒いか?」
「ううんー……あったかくて気持ちいい」
雨彦さんの肩は頭を乗せるのにちょうどいい位置にある。そうだ、お互いに台本を読んでたんだった、雨彦さんの手元の紙の束をチラっと見て、たくさんのエクスクラメーション――ビックリマークに驚く。そんなに血気盛んなドラマだったっけ。
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