スモアディイチャコラ2アディオはスモーカーの座るソファに腰掛け、本を読むスモーカーの膝に頭を預け寝そべった。するとスモーカーは本を読みながらも片手で器用にアディオの髪に手を滑り込ませ梳かすように無言のままアディオの頭を撫でる、その気持ちのいい感触にうっとりしながら、しばらくしてもう満足だとアディオは起き上がりソファから離れようとした。しかし、今日はどうもスモーカーの様子が違った。彼はふいにアディオの腕を掴み、いつもの落ち着いた態度とは裏腹に、力強くソファへと押し倒した。

「スモーカー？ははは、急にどうした？」アディオが笑いながら尋ねたが、スモーカーは答えず、無言のままアディオの脇腹や首元をくすぐり始めた。突然の攻撃にアディオは驚き、ヒーヒーと笑い声を上げて身をよじる。

「ばか！やめろ！くすぐりは苦手なんだよ…！」アディオは笑いながら抵抗するが、スモーカーは容赦しない。
「ほう、意外な弱点があったものだな！」スモーカーは堅気とは思えない凶悪な笑みをニヤリと浮かべ、アディオの弱いところに手を差し込んだ。

アディオは止まない攻撃に涙目になりながら必死に抵抗するが、スモーカーの能力で両手を塞がれてしまう。
「おま…！それは卑怯…ひひ…っあひゃひゃ！！！や、はは、やめろ！も…死ぬ…！」笑い声が部屋に響き渡り、逃げようともがくもソファの端へ埋もれていき彼の体はますます逃げ場を失った。

しかし、ふとスモーカーの手がアディオの敏感な部分に触れた瞬間、アディオは思わず高い声を上げてしまった。
「アッ…！」
その瞬間、二人の間に気不味い空気が流れた。スモーカーは直ぐに能力を解き、冷静になった頭でアディオを見る。暴れたせいでアディオは髪から服装、呼吸といい乱れに乱れており、涙目のまま顔を赤くし肩で息をしている。
その姿から邪な想像をしてしまい、スモーカーは顔を手で覆うと「……すまん」とぽつりと謝った。
アディオは呼吸を整えながら、酸素が足りずくらくらとする頭で「(すまん？すまんって何がだ？)」と考えながらスモーカーの動きを眺めていると、彼の真っ赤な耳が目に入った。
スモーカーの赤い耳、先程の自分が出したであろう甲高い声、今の自分のあられもない姿…、状況をじわじわ理解していくと同時に頬が、顔も体も熱くなっていることに気が付き、飛び退くように慌ててスモーカーから離れた。
「…スケベ…！」と一言だけ言い放ち、アディオは顔を赤くしたまま部屋を飛び出していった。

残されたスモーカーは、アディオの去ったドアを見つめる。追いかけねばだの、謝罪の言葉だの、色々と考えなければならない筈だが、スモーカーの脳内ではアディオの赤くなった顔と、その高い声が繰り返し再生されるだけだった。