アディリムでお昼寝春の日差しがぽかぽかと差し込む穏やかなワフルドの昼下がり。アディオとリムは昼食を終え、片付けを済ませると、リムはそのまま何処かへと散歩へ出かけ、アディオは木陰の下で一息つくことにした。暖かな陽気に包まれて、気持ちが徐々にゆるりとほぐれていく。まるで時間がゆっくりと流れるかのような感覚が、アディオの瞼を重くし、彼は気づかぬうちにその場で眠りに落ちてしまった。

風がやさしく葉を揺らし、鳥たちのさえずりが心地よいBGMのように響く。暫くするとリムがアディオの小屋の前を通り過ぎる、小鳥のさえずりを聞きながら歩くリムの耳に入ったのは、アディオの微かな寝息だった。彼女はその音のする方に耳を澄ませて向かうと、木陰でアディオがすやすやと眠っているのが見えた。

「あ！アディオ、こんな所でお昼寝してる」リムは小さく笑いながら呟いた。

だが、その様子は少し普通ではなかった。アディオの周りにはヨイサーや島の鳥たちが集まり、彼の体に密着するようにして一緒に眠っている。まるで彼らもアディオに安心感を抱いているかのように、静かに寄り添っていた。

その光景を見ているうちに、リムもだんだんと眠気が襲ってきた。春の陽気に誘われ、彼女はアディオのそばに腰を下ろし、その長い髪を枕代わりにして横になった。髪の感触が柔らかく、気持ちが良い。瞼が閉じるのを止められず、リムもあっという間に夢の世界へと引き込まれた。

どれくらいの時間が経ったのか、アディオはふと目を覚ました。彼が最初に感じたのは、いつもと違う妙な重さと温かさ。顔を上げてみると、自分の周りにヨイサーや鳥たちが寄り添い、穏やかに寝息を立てているのが目に入った。

「…ン？」アディオは一瞬、状況が理解できずに困惑した。そして横を見ると、リムまでもが彼のそばで眠っている。

「どういうことだァ？」アディオは呆れたようにぼやき、まるで夢でも見ているかのような気分になった。

リムは、アディオの寝顔が静かで安心するからつい一緒に寝てしまったのかもしれない。ヨイサーや鳥たちも同じ気持ちだったのだろう。どこか安心感を与える存在であるアディオを、みんな自然と頼ってしまうのだ。

アディオはその場で少しの間、困ったような、しかしどこか嬉しそうな表情を浮かべていた。しばらくして、静かにリムの髪を撫でながら、また再び瞼が重くなるのを感じる。

「まぁ、たまにはこういうのも悪くないか…」そう言いながら、アディオは再び目を閉じ、穏やかな眠りに戻っていった。