まばたく宇宙に忍び笑うふふ、と。
歌詞と歌詞との間に零れた、小さな笑い声はマイクを通してダンゴムシマンの耳へと届いた。
それは彼がいたく気に入っているロボット生命体が活躍するアニメの主題歌で、特に面白い要素はない。強いて言えば奇妙な歌詞だったが、歌い慣れているだろう曲のそれで今更笑うというのも考えにくい。
どうしても気になったので、曲が終わると同時に尋ねてみることにした。
「修羅さん、さっき何で笑ってたんですか?」
「…単なる思い出し笑いよ、気にするな」
「えー!修羅さんが!?」
気不味げに顔を反らされてもお構いなしに「そんなの余計気になりますよー!」と食い下がると、修羅王丸は小さく溜息をついた。
「そんなに気になるのであれば、自分で調べるが良い。…そら、曲が始まっているぞ」
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