だから俺は君に恋をした。/ 一話 . あの日。 あの夜。 今でも忘れない。
美しい桃色の髪飾りと
華の柄をした綺麗な着物を着ていた君。
俺はそんな君に
「 恋 」をした。
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… ザーーー
雨降ってるし。
何処行けばいいんだろうな。
鞄の中からスマホを取り出し泊まれるような場所があるか探した。
「 #泊まれる所 」
今日は野宿。公園近いしそこ行こうかな。
びしょ濡れになったし最悪。
数分して公園に着き、屋根がある休憩所のような所があったのでそこに横になり眠りに就いた。
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「お前はそんなに親の言うことが聞けないのか?」
ガシャンとガラスが割れる音が脳裏に蘇る。
ああ、またこの夢だ。
俺は父親から虐待を受けていた。
母親は俺がガキの頃に事故で死んだ。
父親が変わり始めたのはこの頃からだ。
衝突の所為で車の部品が壊れ、腹部に刺さっていたのにも関わらず俺の事を庇ってくれていた。
まだガキだった俺はその優しさよりも母親が出血していたことに対しトラウマを憶えた。
母親の車に当たってきた若い男性が救急車を呼んでくれ、病院に搬送されたが母親はもう手遅れだったらしい。
看護師は父親を電話で呼び、俺は父親と合流し二人で母親を待っていたが、男の医者は落ち込むような、どこか悲しいような顔で「お母様は残念ながら…」と言った。
父親は怒りを露にし、その医者に怒鳴った。
何故医者なのに助けられないんだ、と。
医者でも助けられない時はあるだろう。
俺はただひたすら泣くだけだった。
To Be Continued…