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    Fantome

    コラロだらけ やりたい放題
    表記ないものはだいたいこらろです。
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    Fantome

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    昨日呟いていた
    厄日なこらさんが〜ローさんにお酒を分けて貰って〜尚この2人は一目惚れすることとする。とは、つまりこう言うものが読みたいのです。と言うネタメモ。

    ⚠️モブ彼女にフラれるこらさんがいます

    厄日なこらさん【出会い】まったくもってついてない。

    2年近く付き合った彼女にフラれた。

    出入り先の会社の受付の女の子。積極的なアプローチに絆されて付き合い始めたが特に不満もなかった。年齢的にそろそろ身を固めてもいいかもしれないと思い始めた矢先だ。来月の彼女の誕生日にプロポーズをしようとレストランの予約も取っていたのに無駄になってしまった。
    彼女が行ってみたいと言っていたレストラン、兄貴に頭を下げてまでコネを駆使してなんとか予約を取ったと言うのに、勿体無いから開き直って兄貴と行こうか。


    そもそも結婚を匂わせてきたのは彼女の方なのにここにきて他にいい人をみつけたとはどう言うことなんだ。ささくれだった気持ちのまま煙草のフィルターに歯を立てる。

    電話一本で簡単に別れられる関係。所詮その程度の関係でしかなかったと言うのか。

    最近仕事が忙しく休日返上で働ていた。今日は久しぶりの休みの土曜日に浮かれていたと言うのに朝一番にこの電話だ。

    なんて日だ

    煙草に火をつけて慣れた煙を吸い込むと少し気持ちが落ち着いた。

    久しぶりの休日にしたいことはたくさんあったのに気力がなくなり手慰めに携帯を開く。適当にネット記事を見ていると愛煙しているタバコの画像を見つけて気になったのでクリックすると気に入っていたタバコの銘柄が製造中止していたと言うネット記事だった。
    最近取り扱っている店が減ってきたとは思っていたがここにきて製造停止。今市場に出ている分で販売も終わるらしい。

    この20代からお世話になっていたこのタバコともお別れだと思うと彼女と別れた事実よりショックだった。

    ぐだぐだしていても仕方ない

    顔を洗って適当なジャケットを羽織って家を出る。会社近くのタバコ屋に行こう。
    その店ならいつ行っても置いてあるから在庫もたくさんあるかもしれない。

    何箱かまだ家にストックがあるがあるだけ購入しようといつも購入しているその店に行くと同じことを考えてる奴がいたのか売り切れていた。

    さきほどのネット記事の日付を確認すると記事が出たのは一週間前できっと買い占めた奴は記事が出てすぐに買いに行ったんだろう。
    または思ったよりこの銘柄のファンがたくさんいるのかもしれない。売り切れるほど人気があるのになんで販売停止なんだと腑に落ちない気分で店先の喫煙スペースでタバコを咥える。

    ジッポもオイル切れなのか火がつかない。
    振ったり何回かやってなんとかついた火で漸くタバコが吸えた。

    まったくもってついていない。

    仕方なくタバコ屋で使い捨てライターを購入した。


    〜中略



    乗る電車に間違えたのに気づいたのは少し経ってから、車内アナウンスが聞き覚えのない駅名を告げてようやく気がついた携帯に気を取られていてまったく気がつかなかった。

    とことんついてない日だ。

    まぁ、電車を乗り間違えたのは自分のドジのせいなんだけど。

    がっかりした気分で電車を降りる。
    繁華街の最寄り駅、もう電車に乗る気力もなく幸いタクシーで帰るにしても自宅からそこまで遠くない。目の前は飲み屋街、降りたついでに酒でも飲んで気を紛らわせよう。

    静かに飲めそうな店はないかとあてもなくぶらつく。

    普段なら気にしない通りの賑やかさが耳につく。客引きを適当にいなして進むと視界の片隅、小さな路地が目についた。
    覗いてみれば人通りは少ないが、何個か看板のネオンが瞬いている。

    North Blue

    小道に入って少し歩いたところ、目に止まった青い看板の店に入ってみることにした。


    カランカラン…-

    中はカウンター席のみ、まだ早い時間だからか客は奥の席と手前の席の2人だけ。

    こちらへどうぞと奥の席をひとつ空けた席におしぼりと灰皿が置かれる。

    席についておしぼりで手を拭きながら棚を眺めるとウィスキーの瓶が所狭しと並んでいる。酒の種類を見てこれは当たりだなと落ち込んでいた気分が少し上がった。スコッチも捨てがたいがバーボンもいい。

    ふと家にあった分を飲み切ってしまってまた飲みたいと思っていた銘柄を発見して更に気分が上がる。

    「あ、ブッカーズってお願い出来ます?」
    「すみません、ブッカーズはショットでお出ししてなくて…」

    マスターの話を聞くと入荷した分は全てキープボトルになってしまったらしい。人気のある銘柄だから仕方がない。
    あげて落とされて今日は厄日なのかと不貞腐れた気分で仕方ないから他の酒にするかとボトルを眺めているとトントンと腕に触れた控えめなノックにそちらに顔を向けると隣の男がこっちを見ていた。

    「なァ…」

    「これ、よかったらあんたも飲むか?」

    俺のでよければと青年が目の前のボトルを指している。半分ほどのボトルにはLと書かれたタグが下がっていた。

    「え、いいのか?」
    「駄目だったら声かけないさ、飲み方は?」
    「あ、じゃあロックでもいいか?」

    青年がマスターに声をかけてくれて、程なくしてロックのダブルが出された。

    「ありがとう!」
    「どういたしまして」

    凛とした見た目からは想像出来ないくらい柔らかく微笑んだ顔が綺麗で見惚れて言葉を失う。
    落ち着いた声に同じ歳くらいかと思っていたがよく見ると薄暗い店内でもわかるくらい肌にも髪にも艶があり全然自分より若い青年だった。

    ひと席空けたまま時々他愛ない話を挟んで飲んでいたんだが、初めて会ったはずなのに不思議と会話に詰まることがなかった。青年はローと言う名前でこの近くに住んでいて翌日が非番の日にここで飲んで帰るらしい。


    少し店が混んできて、席を隣に詰めるとローからふわりといい匂いがした。

    (…もっと嗅いでみたい)

    ふっと湧いてきた、不埒な欲望を誤魔化すようにタバコを取り出す。今日はこの店に入ってから一本も吸っていなかったな。


    「吸ってもいいか?」
    「あぁ、大丈夫だ。気にしないでくれ」

    癖でタバコと共にジッポを取り出してしまった。オイル切れで着かないことを思い出して上着のポケットを漁る。先程タバコ屋で購入したライターはここに入れた筈。

    他のポケットにしまっただろうかと上から抑えてみるが見当たらない。火がないと余計吸いたくなるなと未練がましく火がないまま吸い込んで、咥えていた煙草をケースに戻そうすると「マッチで良ければ」とマスターが店の名前が入ったマッチを差し出してくれた。

    「ありがとうございます。」

    ありがたくマッチを貰う。捨てる神あれば拾う神ありだな。そんなに悪いことばかりじゃない。と数時間ぶりの愛煙を肺いっぱいに吸い込んだ。


    シュッ…ー

    慣れた手つきでマッチで火を点けると深く吸い込んで不健康な煙を細く吐き出す。その慣れた仕草が映画のワンシーンの様に格好よくみえて見惚れてしまう。

    煙草は好きではない。自分自身も吸わないし、周りにも喫煙者は少ない。わざわざ友人の煙草を吸う動作なんて眺めていたことはないが多分違う気がする。

    「へぇ、慣れたもんだな…」

    マッチ棒を振って火を消すと灰皿に置く流れすら綺麗に見えて、思わず声が漏れてしまった。

    「たまに、な。マッチで吸うのも好きなんだよ」

    そう言って咥えていた煙草から口を離してこちらに顔を向けて笑いかけてくる。煙草の煙が俺の方に来ない様に気を遣ってくれているのか反対側に火元が向いている。

    (別にかかっても気にしないのに…)

    先程席を寄せてきた時に香水に混じった煙草の匂いは不快ではなく、むしろもっと嗅いでみたいと思った。もっと席を近づけたらこの人の煙草の匂いが俺にも移るだろうか。

    少しだけ身体をずらして距離を詰めるとロシナンテさんが一瞬驚いた顔をしたけど気にすることなく会話は続く。

    ロシナンテさんの口から吐き出されるあの煙を吸い込んだらどんな味がするんだろう。

    煙草など吸いたいと思ったことはないが美味しそうに吸い込む煙草の味が気になって仕方がなかった。

    「あちぃっ!」

    暫くして短くなった煙草で火傷をした時は驚いた。「俺はドジっ子なんだ…」大の大人が照れたように頬を掻くのが可笑しくて悪いと思いながらも噴き出してしまった。
    そんなところすら年上の男が可愛いくみえるのだからもしかしたら俺はロシナンテさんに惚れているのかもしれない。


    〜(中略)


    店が少し空いてきたが席を離すことなく寄り添って酒を飲んでいた。そんな時カウンターに置いてあったローの携帯が震えた。

    「…出ないのか?」

    実は何度か通知は着ていたがローはメッセージを確認することなく無視していたのだ、電話はさすがに出た方がいいと促すと悪いなとローが席を立つ。

    「あぁ、ペンギンか?今からシャチ達と?」

    チラッとローがこちらに視線を寄越す。漏れて聴こえてきた会話の声は随分親しげで友人だろうか、残念ながら楽しい時間はお終いのようだ。楽しい時間をありがとうの気持ちも込めてにっこりと笑い掛けると驚いたように目を瞬かせた、出会ってまだ2時間程度だがクールそうな外観とは裏腹にくるくる変わる表情がとても可愛い。話せば話すほどローへの興味が大きくなっていく、まだまだ一緒にいたい。別れた彼女にすらこんなことを思ったことはなかった。

    よくよく考えたら、今日会ったばかりの見ず知らずのおじさんに酒を分けさせた上に話し相手までさせてしまった。

    ローも楽しいと思ってくれていたら嬉しいんだけどと思っていたが、もしかしたらお開きにする口実が無かったのかもしれない。悪いことをしてしまった。友達と楽しく飲み直してくれ
    会話が聞こえてこないように意識して少しやさぐれた気分で残りの酒を煽る。

    名残惜しくローの方へ視線をやるとちょうどこちらに戻ってくるところだった。

    「悪いな、今日は用事が入っちまって…また誘ってくれ」

    戻りながら続いていた会話が耳に入る、隣に戻ってきたローに少し期待してしまう。

    「良かったのか?」
    「あぁ、それよりあんたの時間は大丈夫か?」
    「もし、大丈夫ならもう少し付き合ってくれると嬉しいんだけど…」

    伺う様な視線、控えめに袖を摘む動作が可愛い、酔いが回ってきているのか目元もほんのり朱い。明日も休みだ、もちろん断る理由もない。


    厄日かと思ったが、今日はとてもツイてる日だった。
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    Replies from the creator

    Fantome

    DONEフレバンスがあったら
    きっとローさんは頭がよくて顔も医者としての腕もいいと自覚しているスーパーモテ男なんだろうな。と思った妄想の産物(コラ←ロに見えるコラ⇄ロ)
    それは恋におちたと言うには長い前フリで女ってのはなんて面倒くさいんだろう。わざと相手に聞こえるようにため息を吐いた。感情が昂っているからか相手は気にする様子もない。

    「俺に不満があるなら別れればいい。」

    違うそう言う意味じゃないと騒いでいるが、興奮した高い声が頭に響いて耳障りだ。

    「付き合う時に言ってあるだろ?お互い面倒になったら別れるって、あんたもそれに了承した、だから付き合っていた。」

    物分かりのいい女だと思っていたが勘違いだったみたいだ。特に不満も無かったんだがこんなに面倒な女だったとは誤算だった。

    「今までありがとう。お別れだ。」

    話しは終わったと伝票を掴んで席を立つ。私はこんなに貴方を愛してるのにと叫んでいるがよくこんな公共の場で恥ずかしげもなく騒げるものだ、お店の人にも迷惑だろう。迷惑料も兼ねてレジに多めにチップを置いて、振り返ることなく店を出る。結構気に入っていた店だったが当分来れないなと本日何度目になるか分からないため息を溢した。この店の挽きたての珈琲がしばらくは飲めないのは惜しい、もう少し味わっておくんだった。そもそもデート場所に使うべきではなかった。
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